2月13日(月) 雨
午前中にシルバー人材センターの馬場さんが来てくださって、蔵書の断捨離に励む。
バーコードのついていない約600冊を紐掛けし、付いている新しい書籍約100冊をダンボール箱に収めた。
それから、小説や文学全集など約100冊も取り置いた。
三島由紀夫の『金閣寺』、北杜夫の『幽霊』、『夜と霧の片隅で』などの初版本は、いずれも一昔前なら【稀覯本(きこうぼん)】と呼ばれ重宝されたと思うけれど、今はさて?
いずれにしろ、ゴミに出すには忍びなく、【さくら的稀覯本】として約100冊を残す。
そのうち例えば、がんを病み【余命半年】を受け入れて生きていた30年前、新聞社の写真部の同僚が買い求めてくださった【櫻】の写真集は、死を意識しながら、その象徴として爛漫の櫻花を心のよりどころとしていた私を、いたく慰め励ましてくれた。
それらは、東松照明(とうまつ・しょうめい)の『さくら・桜・サクラ』(ブレーンセンター刊)であったり、竹内敏信の『櫻暦』(芸術社刊)であったりし、いずれも各書店に「在庫なし」とのことで、稀覯本の一書であるようだ。
NET検索で、『さくら・桜・サクラ』には初版価格が3800円のところ、13万7500円の古書価格が提示され、驚くばかり。 初版価格7600円の『櫻暦』には、3000円から2万3408円までの価格が付けられている。
【さくら的稀覯本】、お高く買い取ってくださる書店や個人が居られたら、がん・難病患者会「がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会」や「名張市がん・難病相談室」、「第二大阪警察病院 がん・なんでも相談」の活動費に充当したいと願う。
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私たち、ふたりとも本好きとあって、本改めをしながら馬場さんは、「この本をもらっても宜しいか?」と、健康食品や花々のカラー本などを持ち帰ってくださった。
本の墓場に送らずにありがたいことであった。
午後は踊りのお稽古。
『櫻の花の散るごとく』のおさらいをしていて、左ひざが「くきっ」と鳴った。 「あたた、たたた」、もはや膝も腰も折れなくなって、前かがみの姿勢ではサマにならない。
おまけに家の鍵を見失い、ママに見つけてもらうまで踊友の渡邊さん宅で寒さしのぎをさせていただくなど、心ならずも周りにご迷惑をおかけした。
嗚呼、没法師!!
敬服するばかりです。
流石の広野家の本棚、私もご一緒に本改めさせていただきたいほどですが、古書の価格には驚いてしまいました。
いつも、「わく、どき、はら」に出会わせていただき、ありがとうございます。