2月11日(金・祝、建国記念の日)
毎週のように整形外に同行してくださるT氏は、さくらより数歳年上だけれど体を悪くされる前まではスキーもゴルフもこなすアスリートで、一見70代前半。 土木の会社で営業部長をしておられた経歴もあり、物知りのグルメである。
平成バブルのころ、さくらもそうであったように、大阪の繁華街で毎晩のように美味しいディナーや酒席をハシゴしたりして、口福にあずかった来られたせいか、ご自分でも確かな料理の腕を持っておられる。
もっとも、作られる料理は「おふくろの味」が多く、いつであったかメヒカリの南蛮漬けを頂戴して、やわらかな食感を活かしてカリっと揚げたメヒカリを、玉ねぎやにんじん、胡瓜の三杯酢であっさり仕上げて、それはもう、美味であった。
去る日、整形外科に通う車中で、時節柄粕汁の話になり、「この頃、なんだかめんどくさくて、料理もする気になりません」とおっしゃるので、「主婦が長生きなのは、家事をするからですよ。 とりわけ、料理は材料の仕込みから段取り、調理などに頭も使うし軽作業も欠かせない。 おまけに食べてくれる人が居れば喜びも味わえる。 ぜひぜひ、作ってくださいませ」とお答えした。
今日、電話があって「よろしければ、届けますよ」、「まぁ、嬉しい。 ほんとうに嬉しいですぅ」。 作っていただきたくて勧めたわけではないので、思いがけない展開が、ほんとうに嬉しかったのだ。
で、掲出のお鍋を届けてくださった。
塩紅鮭の切り身、さつま揚げ、ちくわ、薄揚げ、にんじん、大根、ゴボウ、レンコン、里芋、こんにゃく、酒粕。 出汁は、郷里・長崎の焼き飛魚(あご)だしでキメ。 「シメジを入れ忘れました」と、あくまでもおふくろの味にこだわっておられる。
料理は、高齢者の心身の確かなリハビリです。(と信じます!)
皆々さま、ご自分で作ってみませんか?
※認知機能が衰えると、レシピはもちろん、手順、段取りなどが思い浮かばなくなることも多いのです。 博覧強記と称された高校教諭の長姉も、認知症が進みお茶の免許皆伝なのに、茶杓を手に新茶をどう扱えば良いのかわからずに「あれっ? あれっ?」と、戸惑っておられた。
「急須に入れて、汲み出しのお白湯をそそぐのよね」、「そんなことは、判ってます!」。 16歳も年下の末妹から言われたことにいたくプライドが傷つき、せっかくの新茶をゴミ入れに捨ててしまわれた。
そのうち、お鍋を焦がすようになり、料理も出来なくなって高齢者生協の手作り弁当に申し込んで、食生活は救われたものの…
「がんより怖い糖尿病、それより怖い認知症」。 講演のマクラにお伝えする【高齢者あるある】の一つである。
認知症予防には、料理にチャレンジすることも、料理が与えてくれる喜びも、大いに関係がある、と経験則からの提言である。
一人でいただくには多すぎるので、ハーフケットにくるんで息子宅にも届けたら、三孫からお礼メールが届いた。
ほんとうに、あっさりと具材の味わいをそれぞれに活かした粕汁は、美味しかった。
ありがとうございます♪
毎年、日を違えない国民の休日。(これ、大切なことだと思う)
国の建国を祝うには、国家と国旗と、この国に生まれ育つ感謝と誇りが欠かせない。(とさくらは思う)
80年の人生で、これまでに訪れた国はアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スウェ―デン、ノルウェイ、デンマーク、旧ソ連、韓国、台湾…
いずれも数日の滞在であったから、国情の全てなどは到底判るはずも無かったけれど、衣、食、住の全てにおいて、「日本は住みよい良い国やね。 この時代に、この国に生まれ育って、ほんとうに幸せ!」と実感して心から感謝し、ある種のノブレス・オブリージュとして自分の国が世界平和の一翼を担い、他国を援助し侵略しない日々を誇りに思う。
そして、その考えは今も変わらない。
有難い。
ただひたすら、有難い。
建国記念の日。
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