12月21日(土) 晴、夜に一時雨
この娘が生まれた日は、乾いた冬空からはらりと粉雪が舞う寒い日で、当時連載中の産経新聞「金つなぎの茶碗」と大阪新聞の「平成めおと善哉」の締め切りが誕生日と重なり、慌てて原稿をCDに焼いてヤマト便に托してから、電車に飛び乗って堺市の病院に向かったのだった。
ママの実家に帰らず、半月ほどを自分たちのマンションで暮らすから、手伝いに来てくれないか」と長男に謂われて大喜びでノートパソコン持参で馳せ参じた。 当時は猫を飼っていなくて、冬のこととて植栽の水やりも無用で助かったのだった。
授乳のため夜に起き、睡眠不足のママがお昼寝をしたから、眠るだけ寝させてあげようと思った姑心に反して、起きて来たママが「寝すぎておっぱいが張って、痛くて…」と。
「本当に痛そうで、かわいそうだったわ」と思い出話をして、いつものように「結婚しなさいね。 子どもはなるべく生んで、ばぁばにお世話をさせてね」など言って、近ごろは結婚する女性に子どものことを言ってはいけないんですって。
不妊の方も多いから、差別になるからですって。
さくら♪の若いころは、ほとんどのミセスが子どもを授かり、「もう、これ以上は育てられないから…」と、ご近所さんと交代で上の子どもの世話を引き受けて、婦人科の門を叩いたものであった。
わずか半世紀の間に不妊治療外来が出来、令和4年には国が助成のために保険適用を決めた。
お若い方たちの体が変わってきたのだと思う。
お若いご夫婦(に限らず)に、健康な心身で健やかな赤ちゃんを産んでほしいと願う。
ママの手作りケーキは、ふんわり柔らかくほの甘くて、食後の別腹にすんなり収まっていく。
本当は、インスリン投与の糖尿病患者にはカロリーオーバーなのだけれど、夕食にご飯を食べなかったので、許される?
午後10時、雨が上がったので徒歩で帰宅する。
目を凝らせば蒼く暗い空に白い綿雲が流れ、オリオンの三つ星がくっきりと見えた。
天体に詳しい亡夫が、息子たちを連れて「冬の大三角」を教えていたのが、つい昨日のことのように思い出されるけれど、早や半世紀が経った。
転、感懐の夜である。
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