4月24日(木) 晴
昨日はも慌ただしく過ぎた。
少し心が安らいだのは、名張図書館に行ったついでに、裏庭の歌碑に向かい合った時だ。
歌人・稲森宗太郎の歌碑。
彼が、逝去の4日前に詠んだとされる【水まくら9首】のうちの第一首が、ご本人の筆跡のまま建立されている。
「水まくら うれしくもあるか 耳の下に 氷のかけら 音たてて 游(およ)ぐ」
さくらはこの一首を以て、正岡子規の『病牀六尺』と並び称されても良いのではないかと、常日頃思っている。(確信している)。
他の8首を大きく凌駕する、明るく清冽な【命の讃歌】。
迫りくる死の恐怖をものともしない、勁くたくましい意思の力に圧倒される。
この、彼の詩精神を、【死生観】と言い換えてもよろしいのではないか、とも思う。
碑の周りの雑草を抜いていたら、桜の花びらが3つ、4つ…
見上げれば、桜の古木から延びた若枝から、名残りの花が舞い落ちたらしい。
碑の正面にも桜木があって、来年はその季節に来てみようと思う。
それにしても、碑の汚れが気になるなぁ。
石屋さんにお願いして、洗ってもらおうかしらん。
でも、勝手にそんなことは出来ないでしょうし、ね。
帰りぎわ図書館の方に、「もしや、今日は図書館嘱託の中さんは来ておられないですよね?」とお訊ねした。
最初から否定形なのが、可笑しくて笑ってしまった。
「中先生ですか?」、「そう。 あの方は、名張文化人の誇りなんですよ」、「あー、お父様が立派な方だったんですよね」
…違いますって。 江戸川乱歩研究家の中相作さん。 お父上も郷土史家として良いお仕事を残された方ですけれど。
うふ。
名張図書館と中さんは、さくらの中では、お神酒徳利♪
中さんと稲森宗太郎のことを、以前のさくらブログで紹介させていただいたことがある。
中途半端な紹介で、少し申し訳ないけれど…
名張図書館は、小高い丘地にある良い雰囲気の図書館だ。
蔵書数も多く、何より畏友・中相作氏が嘱託として勤務しておられるのがうれしい。
ただし、江戸川乱歩の研究家としてその名を全国に知らしめる氏のことを、市内で知る人の少ないことに、いささかの憤慨を覚えている。
同じ理由で、この図書館の裏庭に歌碑のある夭折の歌人・稲森宗太郎のことも、もっともっと、知られていい。
名張市出身、早稲田大学に学び窪田空穂門下で将来を嘱望されたという。
彼が逝去の4日前に呼んだとされる【水まくら9首】のうちの筆頭が、次に掲げる秀歌である。
「水まくら うれしくもあるか 耳の下に 氷のかけら 音たてて 游(およ)ぐ」
この歌に、抗がん闘病中の私は魂を揺さぶられるほどの感動を受けた。
臨終近くに水枕をする状況は、病者にとって決して愉快な筈はないのに、強靭な彼の魂は、決然と言揚げするのだ。
曰く、「水まくらって、うれしいものだなぁ!」
病床の彼の、明るく清清しい闘病精神が読み取れて、「がんになんか、負けるもんか!」の気概を掻き立てる私であった。
あれから14年も、生き長らえているのだなぁ
あれから、20年も、生かされております。
ありがとうございます。
昨日はも慌ただしく過ぎた。
少し心が安らいだのは、名張図書館に行ったついでに、裏庭の歌碑に向かい合った時だ。
歌人・稲森宗太郎の歌碑。
彼が、逝去の4日前に詠んだとされる【水まくら9首】のうちの第一首が、ご本人の筆跡のまま建立されている。
「水まくら うれしくもあるか 耳の下に 氷のかけら 音たてて 游(およ)ぐ」
さくらはこの一首を以て、正岡子規の『病牀六尺』と並び称されても良いのではないかと、常日頃思っている。(確信している)。
他の8首を大きく凌駕する、明るく清冽な【命の讃歌】。
迫りくる死の恐怖をものともしない、勁くたくましい意思の力に圧倒される。
この、彼の詩精神を、【死生観】と言い換えてもよろしいのではないか、とも思う。
碑の周りの雑草を抜いていたら、桜の花びらが3つ、4つ…
見上げれば、桜の古木から延びた若枝から、名残りの花が舞い落ちたらしい。
碑の正面にも桜木があって、来年はその季節に来てみようと思う。
それにしても、碑の汚れが気になるなぁ。
石屋さんにお願いして、洗ってもらおうかしらん。
でも、勝手にそんなことは出来ないでしょうし、ね。
帰りぎわ図書館の方に、「もしや、今日は図書館嘱託の中さんは来ておられないですよね?」とお訊ねした。
最初から否定形なのが、可笑しくて笑ってしまった。
「中先生ですか?」、「そう。 あの方は、名張文化人の誇りなんですよ」、「あー、お父様が立派な方だったんですよね」
…違いますって。 江戸川乱歩研究家の中相作さん。 お父上も郷土史家として良いお仕事を残された方ですけれど。
うふ。
名張図書館と中さんは、さくらの中では、お神酒徳利♪
中さんと稲森宗太郎のことを、以前のさくらブログで紹介させていただいたことがある。
中途半端な紹介で、少し申し訳ないけれど…
名張図書館は、小高い丘地にある良い雰囲気の図書館だ。
蔵書数も多く、何より畏友・中相作氏が嘱託として勤務しておられるのがうれしい。
ただし、江戸川乱歩の研究家としてその名を全国に知らしめる氏のことを、市内で知る人の少ないことに、いささかの憤慨を覚えている。
同じ理由で、この図書館の裏庭に歌碑のある夭折の歌人・稲森宗太郎のことも、もっともっと、知られていい。
名張市出身、早稲田大学に学び窪田空穂門下で将来を嘱望されたという。
彼が逝去の4日前に呼んだとされる【水まくら9首】のうちの筆頭が、次に掲げる秀歌である。
「水まくら うれしくもあるか 耳の下に 氷のかけら 音たてて 游(およ)ぐ」
この歌に、抗がん闘病中の私は魂を揺さぶられるほどの感動を受けた。
臨終近くに水枕をする状況は、病者にとって決して愉快な筈はないのに、強靭な彼の魂は、決然と言揚げするのだ。
曰く、「水まくらって、うれしいものだなぁ!」
病床の彼の、明るく清清しい闘病精神が読み取れて、「がんになんか、負けるもんか!」の気概を掻き立てる私であった。
あれから14年も、生き長らえているのだなぁ
あれから、20年も、生かされております。
ありがとうございます。
有難うございます。
ちなみに、Facebook(幸松孝太郎Facebook)で歌人を紹介しておきましたので、ご覧ください!