友々素敵

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ヒラリーの苦戦

2008年01月06日 23時57分14秒 | Weblog
 アメリカの大統領選挙の仕組みはよく理解できないが、今年の11月に選挙が行われるはずだ。民主、共和の両党は、この夏に行われる党大会で大統領候補を決める。そのため州ごとに候補者を絞り込む党員集会や予備選挙が行われる。その最初の党員集会が3日、アイオワ州デモインで開かれた。誰がアメリカの大統領になるかは、世界の行方を左右するといってもよい。

 国民の得票では勝っていたゴア氏が選挙人では負けて、現ブッシュ大統領の誕生となったことはまだ記憶に新しい。ブッシュ氏の弟が知事のフロリダ州の投票数に疑惑がもたれたが、結局はひっくり返らなかった。誠にアメリカの選挙のやり方はよくわからない。それに選挙運動は日本のやり方とは違う。ヒラリー・クリントンの伝記『リビング・ヒストリー』を読んで、日本の選挙とは大きく違うことを知った。

 そのヒラリー氏がアメリカの初代女性大統領になるだろうと私は思っていた。彼女なら、アメリカ軍をイラクから撤退させ、軍事力によるアメリカの世界支配を転換するはずだ。彼女の伝記は、彼女がベトナム戦争に反対してきたことや、血の通わない制度や政策に反対してきたことを述べている。差別や古い習慣と戦ってきた軌跡もある。人を愛し、平和を愛する、新しいアメリカの女性大統領にふさわしいと思っていた。

 ところが、大統領選挙が現実的になればなるほど、ヒラリー氏の発言は保守化してきた。愛国的な人をも抱きこみたいためであろうけれど、その傾向はますます強くなり、これではヒラリー氏が大統領になっても何も期待できないな、そんな風に思えてならなかった。そこに、アメリカではじめての黒人大統領の誕生かといわれるオバマ氏が現れ、アイオワアでの党員集会でヒラリー氏を大きく引き離した。

 「党派対立の続く政治の見直しを訴えるオバマ氏の新鮮なスタイルは、若者層に熱狂的な支持を集めることに成功したといえる」(中日新聞)と評価されるまでになった。アメリカの選挙運動の方法を知り尽くしているヒラリー氏がこのまま負け続けるとは思えないが、アイオワ集会では事前の世論調査で第3位であったエドワーズ元上院議員にも敗れている。これにはちょっと驚かされた。

 もともとアイオワ州は農業地帯で保守的な地域というが、そうであるなら黒人大統領の誕生を喜ぶはずも無いのに、オバマ氏を第1位に押し上げたのだから、アメリカの民主党支持者が期待しているものが変化してきていることの表れだと思う。ヒラリー氏がいつまでも保守層受けにこだわり、保守的な発言を繰り返せばますます支持を失うと私は思っている。

 次は世論調査で、ヒラリー氏がオバマ氏を大きくリードするニューハンプシャー州での予備選挙が8日に行われる。ヒラリー氏が予想通りオバマ氏に圧勝するか見ものである。ここで勝てないとなると、ヒラリー氏の初の女性大統領は難しくなると新聞各紙は報じている。選挙を知り尽くしているヒラリー氏がこのまま負け続けることは考えられないが、彼女の政治姿勢が変らなければ同じ結果になるのではないかと私は案じている。
コメント (2)
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