友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

大人の役割、大人の責任

2015年08月25日 17時33分15秒 | Weblog

 大阪府寝屋川市の中学生2人の殺害容疑で45歳の男が逮捕された。私の周りの人たちの関心は「どうして中学1年の男女が1晩中、街の中をウロウロできたのか」にあった。2人はなぜウロウロしていたのか、ということよりも、2人の親はなぜ放任していたのか、ということへの疑問が大きい。これは時代の差だろうか。私たちの子どもの頃は、塾も習い事もなかったから、晩飯を食べて外出することはなかった。

 私たちの息子や娘が子どもの頃は右肩上がりの好景気で、塾や教室に通う子がいた。我が家の娘たちもヴァイオリンを習わせていたが、教室へは私が送って行き、終わるまで居て一緒に帰って来た。小さな町でまだ物騒な時代ではなかったが、それが当たり前のように思っていた。新興住宅街で人口が一気に増え、新しい学校が建てられた。子どもたちは全国各地から集まって来て、校内暴力が発生し、学校が荒れた。

 容疑者の男は45歳。「中学時代は目立たなかった」とか、「おとなしいが、何するか分からない」とか当時の同級生に言われている。進学熱が高まっていたはずだが、高校へ進んでいない。何をして生きて来たのか分からないが、現在は福島で原発の除染作業を行う会社の契約社員のようだ。どこでどう間違ったのだろう。監禁事件や暴力事件も起こしている。少女趣味とか少年趣味とかいった性癖の人はいるが、暴力や殺人まで犯してしまうのはごくわずかだろう。

 親が子どもに厳しく言って聞かせなければならないことはある。娘たちもよく、「あの子の家ではいいのに、どうして?」と文句を言った。「ヨソはヨソ、我が家はこれがルール」と頑固に言い続けた。私が何を大事に思い、何に価値を置いているのか、分かってくれると信じた。45歳の男が屈折した人生を歩み、そのために犯行に及んだとしても、中学1年の男女が街中を徘徊していなければ事件は起こらなかったかも知れない。

 殺されたあの子たちは何を求めていたのだろう。ふたりで新しい人生を歩みたいというのであれば、「あと10年は待たなくてはいけない。それはねえ‥」と教えてあげられる大人が居たならと思う。家庭で話し合う機会が減っているという。絶対に正しいものはないかも知れないが、自分が正しいと思うことはあるはずだ。うまくいかないことばかりでも、「そういう、あなたがいい」と言ってくれる人もいるはずだ。

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