東京の大手予備校が倒産した。予備校に入校する学生が減ったことが原因らしい。東京の大学に在籍する地方出身の学生も少なくなっているから、昔のように、高学歴を目指す若者が減少しているのだろう。
私は希望する大学に入れなかったので、翌年の合格を目指して通う塾が予備校だと思っていたが、高校生のうちから予備校で、受験勉強をする風習が生まれていたとは知らなかった。
高校で勉強し、それでも不安なので塾でも勉強する。勉強が好きでなければ、とっても出来ることではない。私は余り勉強しなかった。学校のテストは、教科書を暗記しておけば回答出来たので、前日に教科書を見て置けばよかった。
しかし暗記ではなく、思考を要する問題は出来なかった。理数には全く興味が無かった。計算すれば答えがでるのに、なぜ勉強する必要があるのだろうと思っていた。数学の先生に「推理するのが数学」と教えてもらったが、時すでに遅かった。
高校は父も兄も通った学校へ行くのが当然だと思っていたし、大学まで考えたことは無かった。しんどいことはしたくない、楽しんで生きていきたい、そんなナマケモノだった。「トップになったら付き合ってあげる」と、言ってくれる女の子はいなかった。
学年でいつもトップの女の子を見て、「凄い」と称賛できても、自分も頑張ろうとは思わなかった。もし、彼女が「一緒に勉強しよう」と言ってくれたら、勉強したかも知れないが‥。競争心の無い、流される性格は、社会人になって苦しんだ。
他人が出来ないことをやらなければ、落伍者になってしまう。追い詰められてやっと、頑張る気持ちが生まれてきた。頑張れば成果が出て、働くことが楽しくなり、アレもコレもと考える欲も生まれてきた。
長女は中3の娘が、必死に勉強しないと苛立っている。両親がそんな子に育ててしまったのだから、今更ヤキモキせずに温かく見守って欲しい。人生は山あれば、谷もある。どこで誰と出逢うかで、人は変わっていく。
賀状へのお礼のハガキを書いていて、つくづく出逢いで人は変わると思った。