アメリカの中北部ミネソタ州ミネアポリスで、白人警察官が黒人の首を押さえつけている動画は異常だ。黒人が何をしたために警察官に押さえつけられているのか知らないが、押さえつけている警察官は得意そうにさえ見える。動画など撮影している余裕があるなら、立たせて連行すればよいはずなのに。
この動画が拡散し、全米各地で抗議デモが巻き起こった。整然と抗議するデモもあれば、警官隊とぶつかるデモもある。暴徒化したデモ隊の中には高級品を売る商店のウインドウを破壊し、商品を略奪する者もいる。トランプ大統領は左翼とファシストがデモを率いていると主張し、「略奪があれば、銃撃がある」とも発言する。
アメリカのコロナ感染者数は世界1で、死者数は第2次世界大戦後の朝鮮・ベトナム・イラク・アフガニスタンでの戦死者と同じ10万人に達している。黒人の死に対する抗議デモは、黒人だけが行っている訳では無い。多くの良心的な白人が「差別」に抗議し、「差別」を無くすことがアメリカの使命と考えているようだ。
私は子どもの頃、ストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』を読んで、アメリカに連れてこられた黒人奴隷の悲劇を知った。日本にも「差別」があることを知ったのは、いとこが読んでいた雑誌に掲載されていた『』だった。同じ日本人でありながら、どうして「差別」をするのだろうと疑問だったが、人は自分よりも低い者がいると安心するようだ。
「神の前で人は皆平等」とキリストは説いた。キリスト教の国、アメリカでなぜこんなひどい差別があるのだろう。トランプ大統領は聖書を掲げて、デモを非難していたが、恥ずかしいとは思わないのだろうか。彼が聖書を読まない無知な人であっても、多くのアメリカのクリスチャンは一体この事態をどう受け止めているのかと思う。
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