懐かしい人から、「念願の本を出版した」と連絡をもらった。彼と最初に出会ったのは、私が地域新聞を発行していた頃だと思う。その頃、彼は読売新聞の記者で、この地方を担当していた。
大手の新聞社から見れば、地域新聞など紙屑のようなものだっただろう。私が議会を傍聴していた時、中日新聞の記者に「オイ、どけ。ここは記者席だぞ」と怒鳴られたことがあった。「私も記者です」と言えずに、黙って退いた。
大新聞の記者は、取材してやっているという態度の人が多かった。けれど、読売新聞の彼は、大人しくフレンドリーな印象だった。そんな彼と次に会ったのは、私が町会議員だった時だ。
彼が市議会議員に立候補したいというので、私たちが行っていた勉強会『無党派・市民派 自治ネット』に参加して来た。東海地方の議員が何人か集まって、それぞれの課題をみんなで話し合う、そんな勉強会だった。当時の仲間で今も活躍しているのは、彼と瀬戸市議の臼井淳君だけになってしまった。
彼とは松阪市の市議で、6期21年目になる海住恒幸君である。議会を傍聴したことのある人は、まるで国会の小型版かと思われるだろう。どこの市町村議会も大して変わりないほど似ている。中には形だけの議会もある。
彼が著した『議員も知らない?議会の深層・真相』(あらま出版)は、議会はどうあるべきなのかを訴えた渾身の1冊である。議会は、議員同士が熱い討論を交わして、住んでいる市町の住民の声を行政に活かす機関でなくてはならない。
それには、議員が諦めずに求め続けることが大事であり、市民の応援が必要である。さすがに記者していただけあってとても読みやすい。政治に興味の無いカミさんにも、「よく分かるワ」と受けがいい。
議会や行政に興味のある人、いや私たちの生活そのものに関心のある人、ぜひ手にして読んで欲しいと思う。もうそろそろ、次の時代へと向かっていく頃だから。
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