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『永遠の0』その31(反省すべきDNA)

2015年10月09日 | O60→70(オーバー70歳)
【486~487ページ】
奴らの死はまったくの無駄だった。特攻というのは軍のメンツのための作戦だ。沖縄戦の時には、既に海軍には米軍と戦う艦隊はなきに等しかった。本来なら、もう戦えないと双手を挙げるべきだったのに、それが出来なかった。なぜならまだ飛行機が残っていたからだ。ならその飛行機を全部特攻で使ってしまえというわけだ。特攻隊員はそれで殺された。
あの「大和」もそうだ。沖縄上陸の米軍と戦って勝てるわけがない。かといって見殺しには出来ぬ。沖縄で陸軍が勝ち目のない戦いをしているのに、海軍が指をくわえて見ていられない。他の艦が全部やられて、「大和」だけがのこっていいものか。なら、負けるとわかっていても出すしかない。
戦後、俺は何度も賭場を開いたが、素人ほど熱くなる。有り金のかなりをすってしまうと、頭に血が上って、僅かばかりの小金を残していても仕方がないと、全部を賭けてしまうのだ。
軍令部の連中にとったら、艦も飛行機も兵隊も、ばくちの金と同じだったのよ。勝ってる時は、ちびちび小出しにして、結局、大勝ちも出来るチャンスを逃した。それで、今度はじり貧になって、負け出すと頭に来て一気に勝負、まさに典型的な素人ばくちのやり方だ。

〔ken〕自分は、若い頃に麻雀とパチンコがとても好きで、まさに典型的な素人ばくちをして、かなりの金額を無駄遣いしたという忘れがたい記憶があります。このフレーズを読みながら、私も事の重大さとか、レベルの違いはありますが、典型的な日本人としてのDNAを持ち、日常生活においても影響を受けていたことを再認識させられました。
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