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抜き書き帳『樋口一葉』(その12)

2016年06月13日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
《塵の中》明治26年7月?8月

【442ページ】
落ちぶれてそでに涙がかかるとき人の心の奥ぞしらるるとは、げにいいける言葉かな。たらぬことなきそのむかしは、人はたれもたれも情ふかきもの、世はいつとてかわりなきものとのみ思いてけるよ。人世之行路難は、人情反ぷくの間にあるこそいみじけれ。父兄世におわしましける昔しの人も、ここにかく落はふれぬる今日の人も、見るめに何のかわりは覚えざれど、心ざまのいろいろを見れば、浮世さながらうつろいぬる様にこそおぼゆれ。さればこそ人に義人君子とよはるるは少なく、貞女孝子のまれなるぞ道理なる。人はただ、その時々の感情につかわれて一生をすごすものなりけりな。あわれはかのよや。さりとてはまた哀れのよや。

【448ページ】
まだ捨てがたき葉桜の、色を捨ててのあきないと見れば、大悟のひじり(悟りをひらいた高僧)の心地もすれど、あるいは買いかぶりの我れ主義にて、仇な小歌の声自まん、これに心をとどめよとにや。すけんぞめき(ひやかし客の浮かれたさわぎ)の格子先、ちょっと一服袖引たばこと、あがれあがるの問答に、心うかるるたわれをばしらず、----。

[Ken] 「お金の切れ目は縁の切れ目」とか、「もしもの時に頼りになるのは家族だけ」とか、誰しも一度や二度は痛感してきたことと存じます。442ページの「人はただ、その時々の感情につかわれて一生をすごすものなりけりな。あわれはかのよや。」と言われたら、とくに63歳ともなれば、なおさら「はい、はい、そのとおりの年月でした。これからも多分、そうでしょう」と認めざるを得ません。
448ページの「ちょっと一服袖引たばこ」というのは、風情のある言葉ですね。
(つづく)
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月9「ラヴソング」の最終回ですね!

2016年06月13日 | たばこのない日々
▼今週は、連続ドラマが数本、いっせいに最終回を迎えます。そのトップを飾るのが、今晩の月9「ラヴソング」ですね。福山雅治さんの主演で、高視聴率を期待されましたが、なかなか、そうはいかなかったようです。
▼私は、デビュー当時の本田美奈子さん似の佐野さくらさんが、とても印象が良くて、今後のご活躍を楽しみにしています。
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昨日は詩吟の発表会!

2016年06月13日 | たばこのない日々
昨日の会場となった専売ビル8階ホールの会館専務理事から、激励の挨拶をいただきました。
当日のお昼は、京樽の赤飯弁当でした。
特別出演は、田実さんの「祝いの舞」でした。
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