昨日は県議会の一般質問でした。
1、 災害と防災
日本共産党の佐藤正雄です。
大阪北部地震はM6.1と阪神淡路大震災のエネルギーの約40分の1でしたが、大きな被害をもたらしています。
2月には福井豪雪もありましたが、豪雪、豪雨のような天からの災害、地震、噴火のような地底からの災害、まさに災害列島です。日本国民はこれらから永久に逃れることはできません。
しかし今回の大阪北部の地震で登校中のこどもが安全なはずの学校のブロック塀の下敷きになって絶命するというような痛ましい人災は人知によって極力削減することができます。
★教育委員会の調査では、高さや控え壁の設置など建築基準法施行令に適合していないケースは小中で35校、高校14校、と報道されています。そこでおたずねします。
いつまでに違法状態を改善するのですか。また、小中の対策については耐震化同様に県の支援制度をもうけるべきではありませんか。
こういう地震災害のたびに思い出すのは、阪神淡路大震災の惨状をこの目でみたことです。私の県議会活動の原点でもあります。
そのひとつは、原発が巨大地震におそわれれば過酷事故につながるのではないか、との危惧です。これは東日本大震災での福島原発事故で現実のものとなってしまいました。あの事故は福井県の原発で起こったかもしれないのです。
福島原発事故後、すくなくない原発県の知事が慎重姿勢に転じるなかで西川知事は安倍政権とともに原発再稼働、海外輸出の先頭にたっています。
宮城県の女川原発が過酷事故をまぬがれた事例をいまだに宣伝しています。しかし、女川原発の外部電源も5系統のうち4系統が震災でやられ、炉心溶融への危機と紙一重だったのです。原発の安全神話に利用できるものではありません。
★福島県では県民の世論と運動のなかで、事故を起こした第一原発から10数キロ離れた第二原発の廃止方針を電力事業者がしめしました。
かつて福井県とともに原子力政策の3県知事提言をだした福島県が原発ゼロへすすむことになったことについての西川知事の受け止めをおたずねします。
阪神淡路大震災をうけて私が抱いた第2は、公共施設だけ耐震化しても県民の安全と命を守ることはできない、という思いです。ご承知のように早朝の大震災で多くがご自宅で亡くなられました。
ぜひ、個人住宅の耐震診断、耐震改修を支援する制度創設を、と県議会でも訴えました。
当時は全国的にはまだ珍しかったと思いますが、本格的に制度がつくられました。家屋全体でなくても寝室とか居間だけの耐震改修も助成対象となり拡充されています。
★そこで、制度創設以来の耐震診断、改修の実績をおたずねします。他県では助成額を増額して耐震化促進をはかる県もありますが、福井県としても福井地震70年でもあり、耐震改修促進のために広報と相談活動の強化、助成額の拡充をおこなうべきではありませんか、おたずねします。
複合災害ということがいわれますが、仮に2月の豪雪の際に震度6の地震に襲われたら、当然、大雪単独災害時よりも、震災単独災害時よりも倒壊する家屋は増大するわけです。豪雪地帯であることもふまえた積極的な施策をつよく求めます。
つぎに全員協議会でもおたずねしましたが、JR西日本の除雪作業事故時の連絡体制についてです。
私が指摘した事故は、1月14日午前2時ごろに越美北線の除雪車が福井市内の線路上の雪を飛ばす作業中に民家の壁や窓ガラスを破壊し、就寝中の住民があわやの事態になった極めて重大な事故でした。
★このような重大事故が国や県に報告もされない、マスコミを通じた発表と謝罪もないJR西日本の姿勢は問題であり、改善を求めるべきではありませんか。県の見解をおたずねします。
2、福井市の財政と中核市
さて、福井市が財政難に陥り、職員給与を削減する、市民生活関連事業を削減する、など市民生活に大きな
影響を与え、不安が増大しています。
今回の豪雪だけに財政問題の要因を限定すると福井市財政の本質がみえないと思います。福井県内でも全国各地でも豪雪被害の自治体は毎年どこかでうまれますが、乗り切っているわけです。なぜ県都・福井市で赤字転落の事態になったのか。連年の身の丈を超えた大型公共事業の無理が表面化したものにほかなりません。
新幹線を中心とした区画整理事業、再開発事業、総額は1000億円を優に超えます。今後、新幹線事業や北陸本線の第三セクター化、福井駅前の再開発などなど福井市の財政支出の拡大はさらにつづく計画です。今回の赤字の根本原因である再開発事業の拡大をつづけるなどは無謀な計画であり、これらの見直しこそ財政再建のためには急務です。大けがをして血が流れているのに、止血せずに輸血してもだめなわけです。この点では福井市の責任だけではなく、各事業をともに推進してきた県の責任も問われることになります。
また、県の保健所業務など2000あまりの事業を福井市に移行する中核市ですが、これにより福井県には一定の行財政改革効果がうまれますが、単純に比較できないにしても、逆に事務面、財政面での福井市の負担が増えるのではないでしょうか。
さらに豪雪での財政危機を3月には認識しながら、そのことを市民や市議会に明らかにしないまま、4月18日に県に中核市同意申し入れをした福井市の態度にも問題があります。なお市議会での可決は3月22日です。
★財政不安がつづくとみられる福井市への重要な県事業の移譲をおこない、さらに福井市の財政負担を増やしかねない中核市協議については、いったん白紙にもどすべきではありませんか。知事の責任ある見解をおたずねします。
3、新幹線敦賀開業と特急存続・北陸線3セク化
つぎに、特急存続と北陸線3セク化について質問します。
新幹線福井延伸と在来線を考える会が福井駅や芦原温泉駅などの県内7か所の駅頭でJR利用者アンケートをおこない、県にも要望活動をおこないました。
アンケート結果では新幹線に期待しない70%、サンダーバード、しらさぎ号は存続させるべき83%、北陸本線をJRから経営分離すべきではない71%、などという結果でした。
現在のJRを通勤通学で利用している県民の意識は明白ではないでしょうか。
第一に、巨額の税金を使いながら料金値上げかつ不便になる新幹線は問題だ。現在の特急は存続して欲しい。
第二は、県も市町も財政にゆとりがないなかで、巨額の経費をかけて北陸本線を第三セクター経営にすることに反対、ということです。
私は、このJR利用者アンケートには県民のみなさんの良識と常識がしめされたと思います。
★そこでおたずねします。
県議会をはじめ県内議会でも意見書があげられている新幹線敦賀開業後の県民利便性を確保するための特急存続についての取り組み状況はどうなっていますか、おたずねします。
また、計画された新幹線路線が全線整備される富山、石川両県と違い、福井県の場合は敦賀どまりとなります。しかも日本有数の北陸トンネルの維持管理や直流交流両用車両の導入とメンテナンスなど独自の大きな負担も想定されます。
もともと富山県などに比べメリットは少ない新幹線であるにもかかわらず、負担が大きくなる、割に合わない第三セクターとなりかねません。
県の見込みでも大きな赤字と運賃値上げなどが想定されています。
地方財政もけっして余裕はないのであり、JR利用者アンケート結果にしめされたように、政府与党合意の見直しと国とJRによる責任運行を求めるべきではありませんか、おたずねします。
4、県庁の検査・監査について
最後に県庁の検査・監査について質問します。
この間、福祉団体の施設内で違法な営業がおこなわれている、との告発が私に寄せられ、ただちに健康福祉部に通報し、是正されました。
その後、同じ団体が県や福井市の補助金関係の書類を改ざんするなどして不正に補助金を受け取っている、との内部告発が寄せられました。補助金書類の改ざんなどを担当していた職員の方の自殺もあったとお聞きしました。
森友事件での財務省職員の自殺を私は思い起こしました。
私はこれらの情報もただちに健康福祉部に通報し、健康福祉部は団体に対する検査をおこないました。検査の結果、補助金の不正受給などの違法な行為はなかった、との報告をうけました。
しかし、内部告発によれば、県からの検査予告があった時点から不正書類の整理などがおこなわれていたということです。
★そこでおたずねします。
第一に、補助金不正に関する重大な内部告発などが寄せられた際に、不正を指摘された団体に通知してから2週間後にのんびりと検査監査に入るのではなく、ただちに抜き打ちで検査監査に入り、極力、証拠書類の改ざんや隠滅などの行為を阻止すべきではありませんか。
またその際に日頃付き合いのある担当課中心の検査監査ではなく、福祉指導監査グループや監査委員事務局を活用すべきではありませんか。
第二に、通常の検査監査は書類中心でしょうが、実際にその書類に書かれている事業がその人数、参加者でおこなわれたのか、水増しなどはないか、について事業参加者などに直接ヒアリングするなど反証が成立しないか検証することも必要ではありませんか。
福井県庁の信頼が揺るぎかねない重大な問題です。明確な答弁を求めます。