昨日は、福井県議会一般質問でした。中核市、原子力行政、教育行政、自衛隊誘致、高校卒業までの医療費無料化、消費税増税などで知事はじめ理事者に質問しました。福井県議会HPでは私の質問項目ごとの答弁を聞くことができます。
福井新聞より
県民福井より
■質問内容
1、中核市議案に関連して
今議会に中核市関連議案がだされています。9月県議会でも問題点を指摘し、私は反対しました。
そこでふりかえりますと、9月県議会は8月28に日開会し、9月14日の閉会日に福井市の中核市議案を賛成多数で可決しています。9月18日に西川知事は東村市長に同意を伝えています。
ところが、県議会開会前の8月20日付で福井市は「子ども第444号」という公文書で外部団体に対して中核市に移行することを前提にした事業照会をおこなっています。これは、ひとり親家庭の養育費支援にかかる事業に関するもので現在は県がおこない、4月1日以降は福井市に移譲されます。
なぜ福井市は県議会で可決し、知事が同意するかなり前、県議会開会1週間以上前の8月20日段階でこのような公文書を市長名で発出したのでしょうか。
県庁と福井市とのやりとり、あるいは福井市役所内でのいわば行政内部でのやりとりなら行政としての準備作業として理解できます。
しかし外部団体への文書でまだ正式に議会にもはかられていない案件での依頼であり、これは、福井県議会の審議と議決にたいする重大な侵犯です。このような議会軽視の行政がおこなわれるなら、議会の存在価値はなきものにされてしまいかねない重大な問題ではありませんか。
★ 県として、県議会議決、知事の正式了承前に福井市が外部にたいして、中核市移行を前提とした公文書を発行した件数を確認し、ご答弁ください。またなぜこのような県議会を軽んじる行政がおこなわれるにいたったのかその経緯と責任の所在、今後の対応について答弁を求めます。
また嶺北11市町の連携中枢都市圏について、9月議会での理事者答弁ではまず福井市の財政再建が優先だ、との認識でした。しかし、県の意向に反してすすみはじめています。
県としてこの動きと福井市の財政再建の課題の整合性についてはひきつづき必要な助言を責任をもっておこなうことが中核市を認めた県の責任でもあります。
さて、この動きのなかで成年後見制度の中核機関について丹南の一部では福井市にまかせよう、との動きがでているとお聞きしました。
この課題は、高齢化社会の急進展にともないニーズも急増すると考えられます。潜在的には人口の1パーセント程度の後見人が必要、との指摘もあるようです。
県内にはいわゆる市民後見人はゼロであり、親族や法律などの専門家のみなさんが担われているのが現状ですが、これらの人たちだけでは人員が不足するのは明らかです。
こうした際に、市町村合併のマイナス効果のように身近なところでの相談窓口が設置されないとの懸念が生じるような福井市と各市町との連携では問題であります。
★成年後見制度の中核機関について、福井市が中核市になるにともなう広域連携行政のあり方についての県の認識をおたずねします。
2、自衛隊誘致に関連して
県議会開会日に原発立地の嶺南地域への自衛隊誘致の意見書があげられ、代表質問で知事も誘致の意義を語っています。一方、ミサイル迎撃のイージスアショア配備予定地の秋田県や山口県では歓迎どころか、自治体や議会含めて反対の声が起こっています。逆に危険になるからにほかなりません。
いま、わたしたち福井県民にとって重要なことは多発する巨大災害への備えであり、その際の自衛隊の活用です。内閣府の世論調査でも自衛隊に期待する役割のトップは災害派遣であり、8割近い国民が期待しています。福井豪雪でもお世話になりました。
★ところで、逆に自衛隊の問題は福井県民にとってなにがあるでしょうか。
端的な事件が11月14日に起こりました。陸上自衛隊あいば野演習場で、81ミリ迫撃砲の射撃訓練中に、発射された弾丸が国道303号線道路に着弾し、アスファルトを破損し、民間車両に被害を与えました。この道路は嶺南地域の住民の利用も多い道路であり、万が一のときには、福井県民が被災者となるおそれがあります。
県は、嶺南地域への自衛隊の配備を国に要望していますが、原発と軍事施設という二重のリスクをかかえることになることや、近隣のあいば野演習場での事故の発生など、自衛隊の配備について、県民の不安も高まっていることなどから、再考すべきではありませんか。答弁を求めます。
話はかわりますが、自衛隊の準機関紙である「朝雲」に福井県庁幹部が最近登場しました。福井豪雪時の活動をつづったものでありますが、その手記には、「県は、陸上自衛隊の嶺南地域への誘致も積極的に実施しておりますが、残念なことに県民の自衛隊への理解度が高いとは言えない、もどかしい現状があります。このため、毎年、陸海空合同によるパレードを福井市中心部において実施して頂いております」と書かれていました。
個人名ではなく、県庁役職の肩書を使用されていますので、これは県の正式見解だと読者は受け取ります。当然、上司も原稿の段階で読まれているのでしょう。
しかし、県民の自衛隊への理解が低いから嶺南に自衛隊がないのではなく、歴代の防衛官僚、自衛隊もふくめてその必要性の優先順位が低いからないのであり、県民の理解の低さに責任を転嫁する県の態度は重大な問題ではありませんか。
また、市民団体から抗議などもおこなわれている福井市中心部の自衛隊パレードについて、県民理解を高め、嶺南地域への自衛隊誘致促進のためだといわんばかりです。これは県庁は実行委員会に入っていないから直接関知していない、などとする市民団体への県の回答とはまったく違うものです。自衛隊パレードについて、表向きは「県は直接関係していない」と答えながら、実は「自衛隊誘致の世論誘導」だとすれば、県民をあざむく県庁の態度ではありませんか。
★この2点について、新聞紙上に掲載された県庁幹部の見解は知事の見解と同一なのか、自衛隊誘致を政府に要請している知事の責任ある答弁を求めます。
3、教育行政について
★ 小中高校の教室へのエアコン設置率は福井県はすすんでいるとのことですが、課題があります。
ひとつは特別教室や教員室、また災害時には地域住民の避難場所などでも活用される体育館への設置が遅れていることです。
もうひとつは、設置されていても電気料金負担の関係から使用制限がかけられることです。
そこで、これらの課題について新年度以降どのように取り組むのか、おたずねするとともに、教室内の温度が28度以上の日の県立高校でのエアコン稼働率の実態をお聞きいたします。
★さて、県立高校では国語と数学の到達度確認テストで新たな記述式テストが来年1月におこなわれるとのことです。大学入試対策のようですが、記述式の採点では現場教員の負担が増嵩します。さらに学期はじめかつ、センター試験前であり、現場のストレスは高まるばかりです。
また、福井市内の小学校では県の学力テストSASA対策で、宿題以外に100ページの問題集を買わされて取り組ませるとか、過去問テストもやらせるなど、過剰なテスト対策がおこなわれているとお聞きします。
義務制でも高校でも、学校現場の教員と生徒が追い立てられている状況があります。一体、知事や教育委員会は県議会があげた「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」を真摯にうけとめて、教育行政をおこなっているのかはなはだ疑問です。
改善は学校任せ、教員任せではすすみません。意見書でも述べられているように過度の学力偏重を避ける施策を講じ、現場の教員と生徒を上意下達のテストで追い詰めていくことをただちにやめることを求めます。いまのままでは、新たな過労死、新たな自殺者をだしかねないではありませんか。県議会意見書を脇におくのではなく、県議会意見書を踏まえた教育行政への転換を求めますが、知事の見解をおたずねします。
★県教委の業務改善方針には現場からも多くの声がだされています。「仕事は増えるが教職員は減るの悪循環では時間外は増える一方だ」「なんの解決にもならない変形労働時間導入はやめてほしい」「従来の時代遅れの県独自テストは廃止を」などなどです。
現場教員の声にもあるように、福井県学校業務改善方針案で1年単位の変形労働時間導入を検討していることは大問題です。これでは通常の時間外労働を容認、拡大することになりかねません。このような検討はただちにやめるべきではありませんか。教育長の見解をおたずねします。
4、原子力行政について
★いま福井県の原子力行政について、使用済み核燃料の問題が注目されています。
しかし、この問題は知事が主張している県外にしても、高浜町長らが主張している県内保管にしても、水冷プールの容量確保という狙いがみえます。安定した再稼働を保障するためには水冷プールの空きが必要だからです。したがって、再稼働をやめ、これ以上新たな使用済み核燃料はうみださない、との決断抜きには、つぎつぎとでてくる使用済み核燃料の問題解決にはいたらないと思います。
当面仮に、関西電力が約束した中間貯蔵施設場所の年内の表明がおこなわれないまま、高浜町長らの主張するようになし崩し的に県内保管容認となれば、県民の西川知事への批判はさらに高まるでしょう。関西電力の約束が守られなかった場合は明確なペナルティーをしめさないと県の原子力行政の信頼も揺らぐと考えますが、知事の見解をおたずねします。
★ もうひとつの重大な問題はMOX燃料の使用拡大です。これは通常のウラン燃料よりも長く使用後に水冷しなければならず、放射線のつよさからも中間貯蔵施設がつくられたとしても移送は容易ではありません。
仮に、福島原発事故のように運転中の過酷事故となれば、住民への放射能汚染も通常のウラン燃料よりもよりひどい事態をまねくこととなります。使用済み燃料プール保管中の事故についても同様です。
関西電力は高浜原発につづき、大飯原発でもプルサーマルを拡大する計画ですが、知事はみずからの使用ずみ核燃料の県外搬出という政策のおおきな障害となりかねないプルサーマル発電の拡大の中止を関電に申し入れるべきではありませんか。おたずねします。
★さて、日本共産党のしんぶん赤旗が稲田朋美衆議院議員の資金管理団体の政治資金収支報告書から、地域独占の公益企業であるため企業献金を自粛している電力各社9社ほか関連企業等が合計112万円ものパーティ券を購入していることを明らかにしました。関西電力は関連会社もふくめ50万円分のパーティ券購入です。事実上の政治献金であり、狙いは明らかでしょう。
そこでおたずねします。西川知事も政治資金パーティを開催したと報道されていますが、直近のパーティにおける電力事業者によるパーティ券購入額、うち関西電力と関連企業による購入額はいくらなのか、おたずねします。
5、県民の暮らし応援を
今年4月からはじまった中学卒業までの子ども医療費の病院窓口での無料化、負担軽減は子育て世帯から大歓迎されています。実績をみましても懸念があった過度のコンビニ受診などは発生していないようです。
そこでこの施策を県としてもさらに応援することを求めます。いま市町では医療費無料化を高校卒業までとの動きもはじまり、県内全体への拡大が期待されています。
県としても旗をふり、そのために県の支援制度の拡充をおこなうべきではありませんか。
6、消費税増税について
逆進性がつよい消費税の増税は国民生活破壊と地域経済衰退に拍車をかけます。
だから安倍政権は影響を緩和するために消費税税率上げ幅以上のポイント還元や商品券などで国民の目先をごまかそうとしています。こんな税金の使い方をするなら増税しなければいいのです。
福井商工会議所との懇談の中でも、消費税増税に経済界は賛成だ、との立場でしたが、現在の非課税業者を苦しめるインボイス反対、消費の先食いにしかならず手間の多い商品券など反対、とのお立場でした。
★ 知事として県民生活と県内経済を考え、消費税増税に反対すべきではありませんか。
また、商工会議所でも批判の声のある、インボイスや商品券などに商工会議所など関連業界とともに反対すべきではありませんか。知事の明快な答弁を求め、質問を終わります。