今日のトップは、オシロイバナです。昨日の夕方、デジカメもって近所を散歩した折りにとりました。実物の花は、もっとあざやかな赤なんですが、たぶん夕方の光の具合でしょう、こんな風に撮れました。なんだか不思議な月の光でも浴びて、光っているようで、とてもきれいです。
最初にお花をもってくるのは、2枚目の写真が、ちょっとショッキングだからなんですが。
オオカマキリの幼生の、捕食シーンです。犠牲者は、ベニシジミ。最初は野原でベニシジミを見つけて、写真を撮ろうと追いかけていたのですが、そのベニシジミがヒメジョオンの花に降りようとした途端に、悲劇は起こりました。一瞬のことで、最初はわけがわからなかったのですが、思わず写真を何枚も撮ってしまいました。
ヒメジョオンの花の茎によりそって待ち構えていたのです。すばらしい技ですね。ベニシジミはまだ脱皮して間もない若いチョウチョだったようです。カマキリには格好の獲物だったのでしょう。
何かを殺して食べずには生きていけない世界。これは確かな現実。むごいと思いつつも、頭の奥で、苦しいうめきが、切り裂くナイフのように震えている。
胴体の、食べられるところだけを食べて、翅は捨てる。地面にあざやかな紅が散る。カマキリは、獲物の最後の声を覚えている。胸を突き通すような細い叫び。だが冷酷な苦悩が感覚を殺して、あらゆるうつくしい愛を黙殺する。食べねば生きていけないからだ。
だが苦しい麻痺感覚が全身を覆う。おれは何をしたのだ。
夜。月光を浴びて、風に身をさらす。昼の罪をぬぐい清めるように。しじまの中で、己のちっぽけな鎌を、自嘲的にいじりながら、カマキリは思う。おれはなぜ殺すのだ。殺すのだ。
野の奥で、ひそやかに夜咲く花のささやきが、彼の触覚に触れる。苦しい。わかっている。
おれには、やらねばならないことが、あるからだ。