読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

ノンストップサスペンス「黒い薔薇」

2009年07月04日 | 読書

黒い薔薇」(原題:Gone,But Foregoten)
   PHILLIP MARGOLIN著 田口俊樹訳 ハヤカワ文庫1998.5刊

   ノンストップサスペンス。とにかく面白くて読み出したらとまらない。
  フィリップ・マーゴリンのデビュー作は「封印された悪夢」で本書は第三作目。一応サス
  ペンス・スリラーとされているが、登場人物は検事、刑事、弁護士、私立探偵(調査
  員)と役者はそろっていて、法廷場面もいくつかあるので、リーガルサスペンスの色
  彩も濃い。
   評論家北上次郎が解説を書いている。
   前作「氷の男」で解説者折原一氏が「怒涛のようなサスペンススリラー、破天荒な
  トリック、大どんでん返し、強引とも言える綱渡り的ストーリー展開」という賛辞を呈し
  ているのを引いて、「プロットで読ませ、ストーリーが二転・三転する波乱万丈の展開
  が、スティーブ・マルティニに並ぶ「保証つきの面白さ」と絶賛している。

   導入部の第一部では四つの伏線となる出来事が紹介される。このエピソードが
  第二部以降の物語展開を期待させ、わくわくする。
   残忍冷酷な殺人鬼と目される実業家は、実は10年前別の地で殺人犯として
  一度は囚われの身となりながら、巧妙な立ち回りで逃亡し、姿を変えて再び殺
  人を重ねていた。身の危険を感じた実業家は有能な女性弁護士を言葉巧み
  に取り込み罪を免れれようとする。
   今度こそ逃すまいと実体を暴くために身を挺して食い下がる刑事。実業家の
  妻が明かす夫の実像。実は・・・ストーリーが二転・三転しどんでん返しがあったり
  してついていくのがやっと。

   とにかくエンターテイメントとしては満点のサスペンススリラーである。
   一読の価値がある。

           

   (この項終わり)

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