読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

メアリ・H・クラーク 『消えたニック・スペンサー』

2018年09月30日 | 読書

◇『消えたニック・スペンサー』(原題:THE SECOND TIME AROUND)

        著者:メアリ・H・クラーク(Mary Higgins Clark)
        訳者: 宇佐川 晶子   2007.5 新潮社 刊 (新潮文庫)

  
     『魔が解き放たれる夜に』ですっかりファンになったM・H・クラークの長編サスペンス。
 抗がん剤開発会社の社長ニコラス(ニック)・スペンサーが飛行機の墜落事故で行方不明に。
 ニックは果たして死んだのか、生きているのか、最後まで分からない。
  ニックは画期的な抗がん剤開発に成功目前ということで株価は暴騰。企業、組織、個人か
 ら莫大な投資を受けていたが、開発中心人物のニックが行方不明、しかも多額の開発資金が
 消えていることから株価も大暴落。ニックは卑劣な詐欺師として指弾されている。
  
  ニックを知っている事件記者のマーシャ・デカーロ(カーリー)は、ニックを誠実な人格
 者として信頼しており、ニックの無実を明らかにするためにしゃかりきになってに調査を進
 める。実はカーリーの母がニックの二度目の妻リンの父親と結婚したことからリンとの義妹
 となったが、リンとはそりが合わない。


  誰かに奪われた抗がん剤研究資料、その人物を見た研究医師は自動車事故で殺されかけた。
 治験患者からの手紙を見たニックの秘書、住まいに放火されたカーリー、投資を失って自暴
 自棄になった男の暴走などがあり、またカーリーの調査の進展から様々な事実が判明する。
 
  終盤で初めて重要事実が明かされ、のカーリーの謎解きで「消えたニック・スペンサー」
 の行方が明らかになるのだが、布石もなかったことであり、「もっと早く飛行機関連の調査
 をやっておけばよかったのに」と思った次第。
                                 (以上この項終わり)


  

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