◇ 久々に伊香保温泉を訪ねて
ちょうど20年前。子供らが父の日・母の日合体の感謝プレゼントで訪れた伊香保温泉。
割と近いのになぜか足が向かなかった伊香保温泉は、宣伝がうまくないのかあまり世間
にアピールしていない。
温泉旅行はゆったりまったりというのが基本なので、あわてずにゆっくりと普通列車
で、しかしグリーン車で上野の弁当街で仕入れた好みの弁当を開き、ビールなど飲みな
がら高崎駅に向かう。上越線に乗り換えて30分足らずで渋川駅に着く。
車窓からは独特の榛名山が見えてくる。伊香保温泉とセットで認識していたが榛名山
は高崎市で、伊香保温泉は渋川市(伊香保町が合併)。伊香保温泉では観光案内には榛
名山、榛名湖はほとんど出てこない。セットで観光開発すれば相乗効果が出ると思うの
だが。
温泉は金泉(硫酸塩泉)と銀泉(メタけい酸単純泉)がある。元からある泉源は金泉
(黄金の湯)。
榛名山
ホテルの窓(5階)からは上越の山々が見渡せる。
子持山
左から十二ケ岳 中ノ岳 小野子山
赤城山(鈴ケ岳・黒桧山・地蔵岳)
伊香保温泉の特徴は石段街にあると言ってよい。湯泉神社(伊香保神社)から
関所前まで365段の石段があり、石段脇に温泉旅館が立ち並び、泉源からの樋を
通じて湯を引き入れ賑わってきた歴史がある。今でこそ大きな旅館・ホテルなど
は石段からかなり離れたところに立地しているが、「岸権旅館」など由緒ある旅
館などはこの石段街にあると言ってよい。
伊香保神社が標高783m。石段口は標高715mなので標高差は70mはある。
年寄りにはとても一気には登れない。
伊香保の地名は古く万葉集にも登場し、また温泉地としての歴史も古く武田勝
頼公のころに石段温泉街が完成したと言われている。この地を愛した文人墨客は
多く、竹久夢二をはじめ野口雨情、萩原朔太郎、徳富蘆花、夏目漱石などが訪れ
ている。
石段街口脇には公園がある。見晴らしの良い池は当然ながら凍っていた。
まだハワイ王国がアメリカに併呑される前、ここ伊香保に駐日ハワイ公使ロバート
・ウォーカー・アルウィンの別邸があった。木造の簡素ながら快適そうな建物で、ガ
ラス窓も当時の手作りガラスで趣がある。
ここ伊香保には三国街道の関所があった(伊香保口留番所)。復元されている。
御多聞に漏れず外国観光客が多い。
石段にはそこが何段目かを記してある。
今一つ伊香保の特徴は関所の役番を務めた名主(旅館主)に十二支の干支
を割り振った名残が残っていること。旅館の前の石畳にその干支が再現され
ている。(石段は昭和60年に御影石で再建されきれいである)
伊香保神社の社殿です。左手の道を行くと湯元・源泉地へ。
かなロに急勾配です。
石段の由来が記されています
湯が温泉配管樋を通して滔々と流れるさまが見られます。
(以上この項終わり)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます