読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

またも今野敏の警察小説

2012年09月15日 | 読書

◇『逆風の街―横浜みなとみらい署暴力犯係―』
               著者: 今野 敏  
2003.12 徳間書店 刊

   


 先日今野敏の『TOKAGE』を読んで、なかなか面白かったので、図書館でさらに一冊の
今野敏の作品を借りて来た。
今野敏の作品にはシリーズものが多いが、これは「横浜みなとみらい署暴力犯係シリーズ」
の走り。このあと「禁断」(2010.6)、「防波堤」(2011.11)がある。

 ハードボイルドである。最後の諸橋が殺し屋笠松善三に殺されかかる場面が圧巻である。
ヒーローは決して死なないという鉄則が裏切られるのではないかと危ぶまれる始末。しかし
あわやというところで相棒が現れて救われる。こうした緊迫場面があって初めてハードボイ
ルドの醍醐味が味わえるのだ。

 神奈川県警横浜みなとみらい警察署刑事第二課暴力犯係の係長(組織暴力班の班長?)
諸橋夏男警部。両親を暴力団に殺されたという過去を持つ。普通なら所轄の課長級なのだ
が反抗的で本庁捜査一課から飛ばされた。

 寺川という中小印刷会社の主が資金繰りに困り街金から金を借りた。当然返済に窮し、暴
力団系のしつこい取り立てで身の危険を警察に訴えるがなかなか警察は動かない。取り立
ての厳しさは常軌を逸しているとしか言いようのないひどさ。それを聞きつけた諸橋はしぶる
寺川の証言をとりつけ暴力団那賀坂組に乗りこむ。・・・
そして潜入捜査官殺害事件が起こる。那賀坂組の組長の殺し関与を疑う諸橋は相棒の城島
と組に乗りこんだのだが、そこには不気味な大男がいて・・・。 

 「銀行はほんまの悪モンや、・・・トイチの金貸しも地上げやるヤクザも悪モンやけど、その裏
に必ず銀行がおる。銀行は手ェ汚さんと、汚い金を吸い上げるわけや。俺はなあ、銀行員ては
人殺しより悪い奴やと思うているんや」(『TOKAGE』p118)
 「今の世の中、まじめに働いても運転資金に困ることがある。銀行がすべて悪い。黒字を出し
ている中小企業から貸し剥がしをする。・・・・」(本書p52)

 「人殺しより悪い奴ら」とは口を極めて非難しているとしか言いようがない。今野敏は銀行に
余程恨みを持つようなあことがあったのだろうか。

 ところで先日流山おおたかの森のTOHOシネマズで人気の「踊る大捜査線・FINAL」を観て
来た。テーマは警察庁の幹部による事件隠蔽。捜査の第一線と規則順守一点張りで捜査を指
揮する幹部との確執、反発。面白かった。
 もっと続ければいいのに、青島もすみれさんも歳をとっていくから無理なのか…。
 それはともかく、「警察官ひとりひとりは正義感と誇りを持っているかもしれないが、警察という
組織はいつもつまらないことばかりやっている。・・・」(本書p200)
本書も踊る大捜査線FINALもおんなじテーマだった。

(以上この項終わり)

 

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秋蒔きの野菜

2012年09月13日 | 畑の作物

大根とブロッコリー
<大根>
 秋まき大根は大体今頃種を蒔きます。このところ雨なしで畑がカラカラに乾いていて、畝を
作るのに往生します。幸い9月2日に雨があって土が適当に柔らかくなったのであわてて翌
日畝を2本だけ作りました。
 大根を作るときは、「大根百耕」というくらい何回も耕して、土を深く土を細かくします。そうし
ないと大根がまっすぐに育たなくて、二股に割れたり曲がったりします。40センチくらい深く
耕します(数日前に苦土石灰を撒いてPH調整をして置いた)。
 元肥えは樹皮系バーク堆肥と配合肥料とぼかし(生ごみを肥料に変えるすぐれもの。堆肥
に混ぜると効果抜群)。 

9月9日(日)種を蒔きました。太田胃酸の空き缶を使って畝に1センチくらいの凹みを作り、
そこに6粒くらい種を蒔きました(普通は4粒くらい蒔きます。6粒蒔いたのは間引きして食べ
る分を余分にしたからです)。
 種の上に1センチくらい細かい土を撒いて軽く押さえてから水を撒きます。
 綺麗な畝を作ると野良猫がやってきて土を掻きまわしたり鳥が芽をついばんだりするので
ビニールテープを張って予防します。

種をまいてからは雨もないので朝6時前に毎日水をやりました。その甲斐あって、3日目に
早くも芽を出しました。

 品種は「秋さかり」。昨年と同じです。青首大根系で、煮るととろけるように柔らかくて甘
いのでお気に入りになりました。 大根の種は473円で、ほかの野菜に比べて倍くらいの値
段です。

       

<ブロッコリー>
 次の日にブロッコリーを定植しました。
 昔は種から育てましたが、今はホームセンターなどで一鉢60円以下で売っているので、横
着して買ってきます。
 青虫退治が大変ですが、自分で作った無農薬ブロッコリーは甘くてやわらかく、買って食べ
る気がしなくなります。 

               周りに蒔いてある白い顆粒は「オルトラン」という
                            虫除け剤です。

<小玉スイカ>
 既報の二代目小玉西瓜はその後成長が止まっています。残念ながらもう育たないでしょう。

             

(以上この項終わり)

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警察小説の第一人者:今野敏

2012年09月09日 | 読書

◇『TOKAGE-特殊遊撃捜査隊-』 著者: 今野 敏 
                       2008.1 朝日新聞社 刊

 
サスペンスのジャンルでも警察官が主役として活躍する小説を主として書いている
作家は少なくない。佐々木譲を初め、横山秀夫、雫井脩介、今野敏、堂場瞬一など
本格派のほか、大沢在昌、逢坂剛、黒川博行などハードボイルド系の作家も多い。
 本作品はTOKAGE(特殊遊撃捜査隊)シリーズ1であるが、2010.2天網TOKA
GEシリーズ2が出版された。
 警視庁刑事部捜査第一課に特殊犯罪捜査係があって、誘拐・立こもり・テロなどの
特殊犯罪の捜査に当たる。この特殊犯係に単車を駆って機動捜査に当たる特殊
遊撃捜査隊―通称トカゲなるチームがある。頭は白石涼子という30歳のクール
な女性捜査官。その上司の係長はこれまたクールな高部一徳。常に冷静的確な
指揮に当たり、管理官はもとより捜査課長も誘拐事件では高部の判断に一目置く。

 某大手都市銀行の3人の行員が誘拐された。身代金は10億円。犯人一味は銀行
内部のシステムやIT
等に詳しく内部関係者の関与が強く疑われる。
 ところが振り込みを指示された口座は大阪府警管内の某銀行の梅田支店であった。
誘拐事件が一挙に広がりを見せる。そしてその口座の名義人は10年も前に銀行の
貸し剥がしが元で倒産した経営者で失踪していた・・・。
 誘拐事件の常として報道機関には報道規制がかけられたが、某新聞社の遊軍記
者は懇意の警官からヒントを得て周辺を探っているうちに、重要な事件関係者に肉
薄していたことを知ることになる。警察小説には報道関係の脇役が欠かせない。
 飛田という常務が登場し、やり手で何やら後ろ暗い過去がありそうな言動があるが
結果的に肩すかしをくらった。犯行動機がいやに抽象的だったりとやや不満が残る
が、人質が3人、銀行員の誘拐という特異性、犯人確保というよりも状況把握を主務
とするトカゲという単車チーム乃設定など新鮮さが救い。シリーズ2も読んでみよう。

    

    (以上この項終わり)

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水彩画展示会を開催

2012年09月06日 | 水彩画

◇ 秋の水彩画展示会
  我が水彩画愛好会は年に3回自作を展示する機会がある。1回は教室を借りている
 地域近隣センター の文化祭。一つは市の文化祭。もうひとつは自分たちで会場を借
 りて行う展示会。
  展示作品は事前に候補作をそれぞれ持ち寄って、講師の先生の講評等を交えなが
 ら3点選ぶ。
  当日朝に作品を持ち込み、展示用器具を備え付け作品の位置決めをし、題名・作者
 名を書いたラベルを張ったりして、かれこれ1時間半くらいかかる。
  平均すると8号の作品が多いが、10号がやはり映える。6号の作品も結構ある。
 それぞれ自信作を持ち込んだので、見とれる作品が多い。

  我が3作品は『百花繚乱』(友人が定年退職で貰った花束)、『早暁の草津高原』(秋
 草津温泉・中沢ビレッジの4階の部屋からの光景)、『朝日に輝くモッコウバラ』(庭に咲
 いたモッコウバラの耀き)。

  


  

  
  

  (以上この項終わり)

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たくましい小玉西瓜の生命力

2012年09月04日 | 畑の作物

今年の西瓜の種からから二度目の西瓜が
  今年はどういうわけか2本植えた小玉スイカが2本とも出来が悪く、たった1個しか
 成らなかった。
  その黄色西瓜も、採り入れ前にカラスの襲撃を受け敢え無く散崋した。よく熟して食
 べごろだっただけに返す返すも残念でならなかった。

  カラスが食べ散らかした西瓜の種が畝に落ち、再び芽を出した。抜くのも可哀そうな
 ので放っておいたら花が咲いて、授粉もしないのに実を付けた。
  
  さて、果たして大きくなるのか。
  西瓜の二期作なんて聞いたこともないので興味津々である。

  

  

  (以上この項終わり)

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