読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

新津きよみの新作『ダブル・イニシャル』

2012年09月01日 | 読書

◇『ダブル・イニシャル』 著者: 新津きよみ 2012.5 角川書店刊 (角川文庫)
 
  新津きよみの新作。今年5月初版が出て、すぐに図書館にリクエストしてやっと手元に届いた。
  ジャンルはサスペンス・ミステリーとあるが、、病弱の母親を持ち、異常に強い姉弟関係にあった
 自殺した弟、屈折した復讐心理に燃える怪しげな占い師が出てくるなど若干ホラーっぽいところ
 もある。
  2009.1に『ひとり』を角川ホラー文庫で出した。本書はシリーズ第二作に当たる。  
  
  犯人探しの中心的役割を担うのは堂本悠子というデザイナーの若い女性。この女性が主人公の
 刑事と一緒になぞ解きをする。
  著者があとがきで書いているが、「多忙な刑事の仕事と、複雑な形の家庭を両立させている男を
 魅力的に描いてみたい。」のだそうだ。
  それはいいけど、本来なら外部にしゃべってはいけない捜査状況を「関係者として堂本さんには
 お話しします」など重要情報を伝えたりして「捜査一課の刑事がそれでいいのか」と違和感を持つ。 

   主人公は警視庁捜査一課の刑事井垣俊。独身。 バツ一の子持ちの姉と同居中。『ひとり』はま
 だ読んでいないが、警視庁捜査一課刑事の多忙さはほとんど描かれていない。その辺は堂場瞬一
 や貫井徳朗の方が臨場感に一日の長がある。
   
   

   (以上この項終わり)

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