リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Finale2008

2008年01月31日 14時43分08秒 | 音楽系
楽譜プロセッサ、Finale2008のヴァージョンアップの案内が届きました。楽譜の清書はSibeliusを使っていますが、以前Finaleを使っていたこともあり、いまだにヴァージョンアップの案内が届きます。ここはなかなか商売熱心なんですね。(笑)

ヴァージョンアップ代も2006年版以前は一律料金ですので、2003年版を持っている私としてもぐぐっとそそられる仕掛けです。多くのソフトの場合はずっと昔のユーザが最新版にヴァージョンアップしようとするとかなりの費用がいるのが普通ですから。

そのお陰か日本ではFinaleの方がSibeliusより売れてるようですが、使い勝手はどう見てもSibeliusの方が上のように思えます。最新のSibelius5をまだ見ていないので(そういや1月中にヴァージョンアップの案内が来るとのことでしたがまだですねぇ)何ともいえませんが、出版レベルの細かいことをするのはFinaleの方が優れているようです。でもミュージシャンレベルで見ると、Sibeliusの方が優れていると思います。

直感的操作、入力の容易さといった基本的足腰レベルは大変優れているSibeliusですが、追加・改善して欲しい機能もいくつかあります。例えば、譜めくりポイントを指定して自動ページレイアウトを出来るようにする、とかリュートタブラチュアをもっと高機能にするとかいった点です。あと、歌詞入力時の処理時間がちょっとかかり過ぎて入力がもたつくのも改善して欲しい点です。新バージョンではこれらは実現しているのでしょうか。

Finale2008の追加機能で目にとまったのは、オーディオトラックが用意されたことです。詳しいことはわかりませんが、これって楽譜との同期は当然取るんですよね。オーディオトラックはひとつのようですが、マルチトラックになれば、FinaleはもはやDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション=音楽制作のためのソフト)といってもいいですね。

著名なDAWの一つにLogicがあります。Logicはもともと記譜ソフトが出発点で、最初はNotator Logicと称していました。もう20年くらい前のことだったと思います。それがMIDI機能を充実させ、さらにはオーディオトラックも追加され、記譜よりも音楽制作の方にシフトして現在に至っています。途中でソフトハウスのEmagicがAppleに買収され、マック専用になりました。(もともとはマック専用からスタートしましたが)

Finaleのオーディオトラック追加はこのような動きを連想させます。記譜ソフトとしては非常に完成度が高いFinaleですが、いわゆるMIDIトラックの部分が五線譜で記譜できるわけですので、今後の発展が非常に楽しみです。ほぼ完成の域に達しているDAW界に一石を投じることができるのか、はたまた単に余計なトラックがひとつついただけで終わるのか、なかなか興味深いものがあります。