リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

持ち替え通底

2008年01月25日 19時53分54秒 | 音楽系
明日は桑名市教育委員会主催講座「バロック音楽の旅」の第3回目です。今回はイタリア音楽を扱います。初期バロックと後期バロックを紹介する予定ですが、通奏低音は今回はちょっと大変です。指の技術的なことではなく、頭の切り替えです。

初期バロックの作品はモンテヴェルディやフレスコバルディなどの作品を演奏しますが、これらの通奏低音にはテオルボを使います。後期の作品にはアーチ・リュートを使いますが、AチューニングとGチューニングで五線譜の読み方を切り替える必要があるからです。例えば低いドの音が五線譜に書いてある場合、テオルボだと6コースの3フレットですが、アーチ・リュートでは5コースの開放弦です。一音ずつ下がる(上がる)わけですが、私の場合は一音上げてとか下げて弾くということを意識するというより、全く別物として弾いています。

テオルボは、6コースから2コースまでの音がギターの5コースから1コースまでと同じです。(1コースはオクターブ下ですが)ですから、私はテオルボを五線譜を使って演奏するときはギターで五線譜を読む方法をベースにしています。Gチューニングの楽器を五線譜で演奏し始めたのは結構遅く、20歳台の後半頃でした。私の脳みその比較的新しい部分に記憶が蓄積されているわけです。これに対して、ギターを五線譜で演奏する(というかそれしかありませんが(笑))のは10歳台前半で身につけたことで、私の脳みその深い部分にしっかりと記憶されています。

テオルボで通奏低音をするのは割と最近のこと(テオルボを手に入れたのが10年ちょっと前です)ではありますが、五線譜を使って通奏低音をするのはずーっと昔に覚えたことを使うことになります。こういう風にいうと、昔覚えたことだと思い出すのが大変なんだ、と思われそうですが、全く逆です。昔取った杵柄ってやつです。(笑)

ともあれ明日は弾いてるうちにうっかりと混同しないようにしないといけません。