リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

公開中 ブラタモリ「島原・天草」編に出て来た・・・(3)

2020年03月19日 21時56分31秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
つぎに(2)ジョスカンの曲を弾いた可能性です。ジョスカンの没年は1521年、少年使節がリスボンに到着したのは1582年。60年以上も前(あるいはもっと前)の音楽を彼らに聴かせ、それを彼らは練習するでしょうか。ちょっと例え話をしてみましょう。

2020年に某星からやってきた宇宙人が東京にやってきて、音楽を覚えて故郷の星に戻り、ナントカ星の皇帝にその音楽を披露しました。皇帝は大層喜んだという記録は残りましたが、曲目の具体的な記録は残りませんでした。時を経て2500年になり時の音楽学者がどんな曲を披露したかの議論が始まり、大家の学者先生が、「それは1936年発表の東京ラプソディに決まっとる!」と仰ったので、他の先生方も「なるほど、それはぴったりだ。東京の町の様子を表しているいい曲だ」ということになりその説が世の中に広まりました。チャンチャン。


ちょっと訳のわからない例え話しでしたが・・・(笑)ジョスカンの曲を云々するには年代がずれすぎています。もっとも件のMT先生は近著でこんな内容を仰っています。

「・・・歴史的な記述に関しては勝手に仮定や想像をしてはいけません。資料が重要です・・・」

まったく仰るとおりです。しかし・・・

「・・・秀吉の御前演奏はとてもドラマティックな話なので、ちょっと歴史家の立場を離れ、お遊びをしてみたいと思います。・・・」

えーーー!これ早くいってよーん、それも40年前に。真に受けてアルバムを作ったりコンサートを開いたりした人もいますし、今回のブラタモリを見て、そーかー秀吉の御前で「皇帝の歌」を演奏したんや、って飲み屋でシッタカブリするおじさんも出てくるでしょう。