リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの楽器たち(18)

2021年09月12日 21時54分05秒 | 音楽系
ヴァイオリンを習い始めた小学校の1年生の時、父親が担任の先生に言いふらしたようで、あるとき教室で先生が「ショージちゃんはヴァイオリンを習っています・・・」とおっしゃったとき、みんなの好奇の目が私に注がれてとても居心地が悪かったのを覚えています。

何せ田舎で普通の庶民の街に住んでいましたから、ピアノやましてはヴァイオリンなんて男の子が習うようなものではない、という空気がアリアリ。自分のクラスにはピアノが弾ける男子はいませんでしたし、ヴァイオリンなんてもっといません。1950年代の地方ってまぁこんなもんだったのでしょう。

当時ヴァイオリンを習っているということが友達付き合いを危うくさせる感じがして、結局私はヴァイオリンより友達付き合いを選びました。もっともヴァイオリンの技術的な点で少し壁にぶつかっていたことも事実でそれも止める原因のひとつであったと思います。いずれにせよ、ヴァイオリンを止めたときはなんかほっとした感じとヴァイオリンを弾いていたいという気持ちが入り混じった複雑な感じでした。