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「八月の路上に捨てる」「ぼくはこんな本を読んできた」

2007年05月04日 | レビュー
「八月の路上に捨てる」伊藤たかみの本です。芥川賞をとった作品で、書評を見て購入しました。感想ですが、「うーん、確かに人間がよく書けてるけど、これで芥川賞なのか、、、」という感じです。短編であることもあって、とても軽く読めてしまいました。いえ、大きな賞をとるにはこむずかしくないと、、、と言ってるわけではないのですが、この本を読んで心が大きく動かされたとか、自分の生き方に影響があったというたぐいのものではありませんでした。

装丁なんかはとても感じよくできています。
1000円で買えるし、手ごろな本ですが、それ以上の感想がない、、、。

さて、先日立花隆の「ぼくはこんな本を読んできた」という本を古本屋で100円で買いました。95年の本ですから、もうけっこう古いですよね。これも以前書評で見て気にはなっていたけれど、読んでませんでした。で、これがめっぽうおもしろいんです。その中の文章を一つ紹介します。

「読まないと文章って書けないからね。まず、消費者にならないとちゃんとした生産者になれない。それと、文学を経ないで精神形成をした人は、どうしても物の見方が浅い。物事の理解が図式的になりがちなんじゃないかな。」(p121)
「文学を読むことで得られる大事なことは、それによってつちかわれるイマジネーションですね。」(p122)

立花隆氏は、膨大な文学を読んだ後、ノンフィクションの魅力にとりつかれ、理系文系の両方の知識をバランスよく備えている人は大変少ないと嘆いています。このあたり、うちの学部のめざすところでもあり、大変刺激される本でした。まずはとにかく知ること。そのためにはやはり本を読むしかありません。次に、エキスパートに直接教えを乞うことでしょう。それが効率的に知識を身につけていく方法だろうと私も思います。それには、大学という環境は非常に恵まれているところだと感じました。
コメント
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