院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

刑罰と矯正

2006-10-15 13:59:58 | Weblog
 裁判で「矯正不能なので死刑に処す」とかいう判決がある。ならば、矯正可能ならば死刑にしないのか?

 刑罰は刑罰であって、矯正ではない。懲役を科せられて、「二度とこうはなりたくない」と思わせるのが矯正である。

 そこのところが最近は乖離してしまって、懲役を矯正と同義語に使用する向きがある。矯正指導なぞ不可能である。それは出所者の50%が再び刑務所に戻って来ることからも分かる。

 刑務所は矯正施設ではなく、刑罰の施設であるべきである。昨今の人権主義で、受刑者の人権は守られ過ぎている。どこかに嘘が感じられる。

 犯罪者が矯正可能と言い張るのは、きれいごとである。反省文なぞ書かせても何の役にも立たない。

 司法は矯正なぞということを言わずに、罪人にはそれなりの罰を与えなくては、そのうち信頼を失うだろう。