スペースシャトルの成功は、ひとえに製造マニュアルの充実によっていると思う。マニュアルに従えば誰がやっても同じ結果が得られる。大人数が手分けをしても同じ結果が出る。スペースシャトルの製造マニュアルは何百冊にも及ぶだろう。
その影響かどうか知らないが、アメリカでは精神疾患の診断マニュアルを作ってしまった。今やそれがわが国を席巻しようとしている。しかし、人間や病は物体ではない。スペースシャトルで成功したことが、精神医療で成功するとは限らない。だから、わが国では診断マニュアルをまったく相手にしない精神科医も少なくない。
最近、マニュアルばやりである。医療事故防止マニュアルなんていうのもある。しかし、医療事故はとっさの判断が重要で、いちいちマニュアルを引いている余裕なぞない。マニュアルは膨大な辞書のようなものであるから、それをあらかじめ全部頭に入れておくことも難しい。だから医療事故防止マニュアルというものの存在価値には疑いがある。
ところが医療事故が起きると、マスコミは「防止マニュアルさえ整備されていなかった」と責める。
だから医療機関も防衛的になって、どんどんマニュアルを作っている。でも、相手が人間や病というスペースシャトルよりも格段に複雑なものであるから、マニュアルはほとんど役に立たないことを強調しておきたい。
医療機関は、ただマスコミから「マニュアルさえなかった」と言われるのが怖くて、マニュアルを用意しているだけである。実用に役立たないものの製作にエネルギーを費やしているのである。
その影響かどうか知らないが、アメリカでは精神疾患の診断マニュアルを作ってしまった。今やそれがわが国を席巻しようとしている。しかし、人間や病は物体ではない。スペースシャトルで成功したことが、精神医療で成功するとは限らない。だから、わが国では診断マニュアルをまったく相手にしない精神科医も少なくない。
最近、マニュアルばやりである。医療事故防止マニュアルなんていうのもある。しかし、医療事故はとっさの判断が重要で、いちいちマニュアルを引いている余裕なぞない。マニュアルは膨大な辞書のようなものであるから、それをあらかじめ全部頭に入れておくことも難しい。だから医療事故防止マニュアルというものの存在価値には疑いがある。
ところが医療事故が起きると、マスコミは「防止マニュアルさえ整備されていなかった」と責める。
だから医療機関も防衛的になって、どんどんマニュアルを作っている。でも、相手が人間や病というスペースシャトルよりも格段に複雑なものであるから、マニュアルはほとんど役に立たないことを強調しておきたい。
医療機関は、ただマスコミから「マニュアルさえなかった」と言われるのが怖くて、マニュアルを用意しているだけである。実用に役立たないものの製作にエネルギーを費やしているのである。