院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

日本の医療崩壊

2006-10-23 12:31:01 | Weblog
 私はS総合病院のK元院長があまり好きではなかった。「丁寧に生きる」なぞという、意味不明の標語を多用してマスコミに出ていたからである。K院長のひげ面も好感を持てなかった。髪型や髭で自己主張するのが私はいやだ。

 ところが、そのK元院長が久々に良いことを週刊誌に書いていた。自分が50歳で引退したのは「経営も成り立たせて、いい医療をすることに燃えつきてしまった」というのである。初めてK元院長の本音を聞いた。

 日本の医療制度はWHOの評価では世界一である。しかも、医療費は先進国で一番安い。虫垂炎の手術料は日本は37万円だが、ニューヨークでは243万円だそうである。あまりの差に驚く。

 K元院長は、日本が医療費をこれ以上削っては、医療は崩壊して立ち直れなくなると言っていた。同感である。特に若い医師たちの労働は過酷である。医療費を値切ってこのままの状態を続けていれば、ほんとに日本の医療は崩壊するだろう。現に病院から医師がいなくなっている。

 K元院長は単なる目立ちたがり屋ではないと、このたびの発言で見直した次第である。