PTSD(心的外傷後ストレス障害)という概念がある。
ベトナムでの過酷な戦争を経て、アメリカ人帰還兵の中に精神的に使い物にならなくなった人が出てきた。
PTSDという概念は、そういう人たちを社会保障の枠内で救えるようにしようという、もともとは極めて政治的な概念だった。
それがいつの間にか、アメリカの精神疾患診断統計マニュアルに載ってしまってから、この概念は一人歩きを始めた。
ちょっとイヤなこと、ちょっとした事故があったあと、精神的に落ち込むとPTSDだというまでになってしまった。
ちょっとイヤなことや、ちょっとした事故は誰にでもふりかかる。それを乗り越えてこそ人間的な幅が広がるというものだろう。多少の不幸も経験していない人は昔は「甘ちゃん」と呼ばれて蔑まれた。
「艱難(かんなん)なんじを玉にす」という言葉もあるではないか。
それが今や、なでもかんでもPTSDだ。少し変なのではないか?
ベトナムでの過酷な戦争を経て、アメリカ人帰還兵の中に精神的に使い物にならなくなった人が出てきた。
PTSDという概念は、そういう人たちを社会保障の枠内で救えるようにしようという、もともとは極めて政治的な概念だった。
それがいつの間にか、アメリカの精神疾患診断統計マニュアルに載ってしまってから、この概念は一人歩きを始めた。
ちょっとイヤなこと、ちょっとした事故があったあと、精神的に落ち込むとPTSDだというまでになってしまった。
ちょっとイヤなことや、ちょっとした事故は誰にでもふりかかる。それを乗り越えてこそ人間的な幅が広がるというものだろう。多少の不幸も経験していない人は昔は「甘ちゃん」と呼ばれて蔑まれた。
「艱難(かんなん)なんじを玉にす」という言葉もあるではないか。
それが今や、なでもかんでもPTSDだ。少し変なのではないか?