院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

鯖の缶詰

2007-04-27 14:39:41 | Weblog
 鯖の缶詰のように中身が安い缶詰は、容器の金属の量をなるべく節約しなくてはならない。

 そこで、缶詰の金属が最も少なく、かつ容積を最大にするにはどうしたらよいか?という問題が生じてくる。

 答えは、缶詰の直径と高さが同じときが、最も容積が大きい。つまり缶詰を真横から見ると、ちょうど正方形になるという美しい法則が現れてくる。(鯖以外でも安い缶詰はみな同じ恰好をしている)。 

 証明は簡単である。

 [証明]

 缶の半径をr、高さをh、容積を1000、表面積をSとする。

    1000=π(rの2乗)h・・・・(1)

である。また・・・

    S=2π(rの2乗)+2πrh・・・(2)

である。容積が1000でSが最小となるようなケースを求めるのがこの問題である。

(1)より・・・

    h=1000/π(rの2乗)・・・・(3)

 これを(2)に代入すると・・・

    S=2π(rの2乗)+2000/r  ただしr>0

 この式の増減を調べるためにSで微分すると・・・

    dS/dr=4πr-2000/(rの2乗)={4π/(rの2乗)}×(rの3乗-2000/π)

となって、dS/dr=0(つまりSが最小)となるのはr=10/{2πの(1/3)乗}
のときに限る。

 ところで(3)を変形させると、h={1000/π(rの3乗)}×r=20/{2πの(1/3)乗}であるから、2r=hである。

 証明終わり

 ちなみに缶詰の形を円筒にこだわらなければ、表面積が最小で最大の容積をもつ形状は「球」である。こちらのほうは格段に証明が難しいと思う。