院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

金色夜叉

2007-04-15 15:08:42 | Weblog
 尾崎紅葉の名作「金色夜叉」では、貫一お宮の熱海での場面が有名である。

 このとき、貫一はお宮を足蹴にするのだが、そのとき貫一は下駄をはいていたか、靴をはいていたかが今回のテーマである。

 田舎芝居だと貫一はたいていホウバ(下駄)をはいている。

 TVなどのコントでも下駄をはいている。しかし、下駄で蹴られたら怪我をするのではないか?

 原典に当たってみた。

 本文中には貫一が何をはいていたかが書かれていない。ただ「宮が衣(きぬ)のはだけて雪はずかしく現せる膝頭は、おびただく血に染みて震うなりき」という記述があるだけである。

 ただ、初版本の浮世絵風の表紙絵では、貫一は靴をはいている。

 巷間、貫一は熱海では下駄をはいていたことになっているけれども、実は靴をはいていたのではないか?

 初版本の表紙に紅葉から文句は出なかったようだから、やっぱり貫一は靴をはいていたと考えるのが妥当である。