院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

命は平等か?

2007-04-29 09:34:37 | Weblog
 犬が人を噛んでも報道されないが、人が犬を噛むと報道されるとは、よく言われることである。

 これはつまり、珍しくないことは報道されないが、珍しいことは報道されるという意味だろう。

 交通事故死の一部は報道される。しかし、報道は詳細ではなく、報道範囲も地域に限定されたりしている。交通事故は珍しくないからだろう。

 毎年6000人以上が交通事故死している。阪神淡路大震災の死者と同じ程度の数である。

 数が同じ割には、交通事故死より阪神淡路大震災のほうが、圧倒的に報道数が多い。

 これはなぜだろうか?

 交通事故死が毎年6000人は珍しくないが、阪神淡路で6000人というところが珍しいからだろうか?

 一度に大量に死んだからだろうか?毎日少しずつなら報道されないのだろうか?

 死因が交通事故だろうと、大震災だろうと、犯罪によるものだろうと、当人(または家族)にとっては、「一回的な」重大な出来事である。自然死(寿命)でも同じことである。

 死に方によって、報道の格差があることに、若干の疑念を覚える。とくに一度に大量に死んだときの報道の詳しさに驚く。

 隣のお婆さんが老衰で亡くなったときには、なんの報道もなかった。

 マスコミは「人の命は地球より重い」というのなら、このお婆さんの死も報道せよ。

 それがイヤなら、阪神淡路をあんなに報道するな。

 マスコミにとっては、人の死に格差があるようである。いつも「命は平等」と言っておきながら、著名人の死だけ報道する。マスコミは自己矛盾を行っている。

 私がマスコミを嫌う、これは理由の一つである。

 「命は平等ではない」とマスコミがはっきり宣言しない限り、私のマスコミ嫌いは続くだろう。