院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

大江健三郎氏のノーベル文学賞への疑義

2008-05-18 07:04:51 | Weblog
 狂牛病のプリオン説はノーベル賞をもらったが、これはノーベル賞のポカであり、いずれそれが分かるだろうと先日書いた(2008.2.5)。

 もう早いもので、10年前になるけれども、大江健三郎氏のノーベル文学賞もポカだと思う。

 本当は安部公房氏がノーベル賞を貰う予定だったのである。ところが安部氏は早く亡くなったので、そのおハチが大江氏に回ってきただけである。

 大江氏には安部氏のようには見るべき作品がない。安部氏は「砂の女」、「飢餓海峡」、「棒になった男」など、驚異的に優れた作品がある。大江氏にはそれがない。

 大江氏は「死者の驕り」で芥川賞を受賞したけれども、この作品は医学部の解剖実習用の遺体を処理する話で、当時医学生だった私は「この人は医学部の実態を何にも知らないな」と思いながら、この作品を読んだ。

 名作とされる「万延元年のフットボール」も、面白くも何ともなかった。

 ノーベル賞を貰ってからの大江氏の行動にも疑問に思えることがいくつかあった。知的障害の息子さんを、表舞台に引き出したことがその一つだ。ノーベル文学賞と息子とに、なんの関係があるのか?

 川端康成氏がノーベル文学賞を貰ったとき、「美しい日本の私」というメッセージを出した。それをマネて大江氏は「美しくない日本の私」だったかどうか、そんなようなメッセージを出した。これも、いただけなかった。

 みな大声では言わないけれども、大江氏のノーベル賞に疑問をもっている人は多いのではないか?