(週刊ダイヤモンドより引用。)
このブログではある薬が本当に効くのかは、プラセボー(偽薬)を投与する対照群を置いた二重盲検試験を行わなくては確実には言えないと述べてきました。
ところが大雑把に言って(向精神薬の場合)本物の薬が60%の人に効いたとしても、プラセボーでも40%の人に効くのですね。
私たち臨床家からすれば、プラセボーでも40%の人に効くなら、その効果を利用しようという発想が出てきます。効果が同じなら、化学物質(実薬)よりプラセボー(小麦粉を丸めたもの)のほうが優れているという考え方があり得ます。
プラセボーが脳内でどのように効くのかという研究も始まっています。このような研究は「思い込み」とは何か?という疑問の答えを求める研究でもあります。その仕組みが解明されるのが待たれます。
こうした考え方からは、このブログで批判してきたサプリメントやアリナミンEXゴールドも存在価値があることになります。
科学的な文脈なら冒頭の批判的な見出しの記事のようになるのですが、実利的な(偽薬でも効けばよいという)文脈でも薬の効能を語りうるわけですね。