(五倫書。台湾・中央研究院のHPより引用。)
日本にはむかしから「一日の長」とか「亀の甲より年の功」という諺というか規範があります。儒教の教えから「長幼の序」という言葉も根付いています。
これらの規範は日本の文化に深く浸透しています。会社の「年功序列」という枠組みもこれらの規範に根拠を置いています。
ですから、生産第一主義のために「成果主義」を導入して「年功序列」を排するには、まず古くからの日本文化を破壊しなくてはなりません。その覚悟がなくては、軽々に(職場に限って)「年功序列」をやめるなぞと言ってはいけません。
人間が何万人と集まると、序列をつけなくてはまとまりません。(これは人間の認識能力の限界で、この限界については次回に述べます。)日本は、たまたま序列をつけるのに上の写真の「五倫書」の「長幼の序」や「父子の親」といった基準をもってきました。
能力さえあれば有利になるという基準を設けなかったのは、徳川家康以来の国をまとめる伝統的な知恵なのです。