(阪急デパート内・ハッピーターンズ前の整然とした行列。GIGAZINE より引用。)
関東大震災のとき、被災者は給水・炊き出しなどに整然と列を作り、乱す者はなかったと言います。当時のフィルムも残っており、日本人は公徳心が高いと言われています。
先日の東日本大震災に際しても、被災者が階段の端に座って真ん中を空け、通行を妨げないようにしている写真が世界に驚きを与えました。
ですが私は、そんなに世界に絶賛されるほど日本人は昔から紳士的ではなかったと思っています。
私の少年時代、バス待ちの列に割り込んでくる人はたくさんいました。むろん喧嘩になって怒号が飛びました。足を踏んだ踏まないで、電車内で言い争いがありました。なんだか、みんなイライラしていたような記憶があります。
東京の地下鉄で乗客が3列に並ぶようになったのは、1970年ころです。日本人はだいぶ紳士的になったのですが、それは日本だけではありませんでした。このころ先進国がみな同時に紳士的になったのです。理由は分かっていないのですが、欧州のある学者はこの現象を「ジェントル革命」と名づけました。
「衣食足りて礼節を知る」ということでしょうか。昭和30年代の街の喧噪を経験している私は、関東大震災のときのフィルムに残っている公徳心は、カメラの前だけだったのではないかと疑います。(朝鮮人が殺害されましたし・・。)窮することがあれば公徳心はたちまち昭和30年代に逆戻りするのではないでしょうか?