(三井本館。ウィキペディア「三井不動産」より引用。)
ここで言う現金(預貯金を含む)以外の財産とは、株などの債権、土地家屋、貴金属などを指します。株は一瞬で1割2割値上がりすることがありますが、じつは土地家屋や貴金属の値上がりも(じわじわとではなく)一瞬で行われることを忘れないでおきましょう。
バブルの前、それでも年々給料が上がっていきました。隣りや上の階の音が聞こえるマンションやアパートなどの集合住宅がイヤで、私は狭くても一戸建てを切望していました。今の昇給なら来年は買えるかもしれないと思いつつ、来年になって昇給したときにはすでに、土地家屋はさらに手が届かない価格に上がっているのでした。
その仕組みは、私がサラリーマンであることにあると気づきました。日本の経済がよくなると経営者がまず儲かります。経営者は儲かった分を給料を上げて被雇用者に還元しようとします。
経営者は被雇用者の給料を上げるときに同時に、現金以外の財産も買うのです。経営者たちが買えば土地家屋や貴金属などが一瞬で値上がりします。サラリーマンが昇給するのはその少し後です。このタイムラグがあるために、サラリーマンにはいつまでたっても土地家屋が手に入らないのだと分かりました。単純すぎる構図かもしれませんが、そういう部分はあると思います。
サラリーマンが土地家屋を買おうとするとローンを組まなくてはなりません。30年ローンとして、返済が完了するまで借金の2倍を返さなくてはならないといいますから、サラリーマンは銀行にも搾取されるわけですね。
最近どこぞの経済学者が過去200年間の経済の動きを分析して、労働よりも財産のほうが利潤を生んでいるという結果を発表しました。資本主義経済では、やはりそういう結果になるのだろうなと嘆息した次第です。
(これだから、無産市民たるサラリーマンはいつまでたっても最下層に置かれるのでしょう。)
※今日、気にとまった短歌
勝手口開けてサンダル突っかけて生ごみ捨てれば見事な月だ (横浜市)丹羽口憲夫