(明日のジョーのソングファイル。)
漫画の原作者という立場を確立したのは梶原一騎でしょうね。「巨人の星」や「明日のジョー」は不朽の名作です。
それまでは、漫画家はストーリーも絵も両方作るものとされてきました。ちばてつやは自分のストーリーの傾向がすでに出来上がっていたのに、あえて「明日のジョー」を描いたときには私は驚きました。ですが、大ヒットとなりました。
「美味しんぼ」の原作者、雁屋哲はのちにグルメ小説を書きましたが、面白くなかったです。雁屋のアイデアには漫画というジャンルがもっとも適しているのでしょうね。(里中満智子の小説もつまらなかったです。)
前回お示しした三田紀房は、株取引の漫画の原案を作っていますが、彼は株取引ができないそうです。なぜかと言うと、彼が取引をするとインサイダー取引になる恐れがあると言います。そこまで株に深くかかわっているのですね。
思えば梶原一騎は巨人軍の沖縄キャンプに同行して取材しました。雁屋哲もしょっちゅう海外に取材旅行に行っていますよね。勉強の量が半端ではありません。
そのうち、漫画の原案作りも作画も行わない、ちょうど映画の監督のような人が出てくるだろうと考えてみたのですが、じつはその役は出版社の編集者が務めているのかもしれませんね。
(私が思春期のころ、漫画編集者の地位は低いものでした。有名出版社の編集者ということで縁談が決まっていたのに、漫画の吹き出しに写真植字の活字を張っているところを婚約者に見られて、破談になったという話がありました。)
※今日、気にとまった短歌
赤い鼻こすりて友は顔をあぐいよいよ反論始めるらしい (柏市)重藤竹夫