(カリスマ主婦モデルを載せる雑誌『VERY』。光文社刊。)
むかしの多くの主婦は、家庭や夫に縛り付けられるのはイヤだ、自分も社会に出て夫から独立した仕事がしたいと思っていました。1999年の男女雇用機会均等法の大幅改正で、雇用上のいかなる女性差別も禁止されるようになったのは、上のような主婦たちの声が大きな力となりました。
ところが、現在の未婚女性の憧れの職業は「専業主婦業」だそうですね。180度逆転とはこのことです。実際いまでは、妻に主婦をさせている夫は高収入で実力がある一部の男たちに限られます。
男たちの収入は雇用機会均等法の前より確実に下がりました。それは、法律が改正される前から分かっていました。なぜなら、主婦が労働市場に参入すると労働人口が増えて、賃金が下がるからです。こうして男性の賃金が下がったから、夫一人だけの収入では所帯をやっていけない社会構造になりました。
要するに、労働力が余るようになったから賃金が下がったという当然のことが起こりました。こうして、「替わりはいくらでもいる」状況になった結果、ブラック企業なんかが跋扈するようになりました。
お断りしておきますが、女性が社会進出してはいけないと言っているわけではありません。労働人口が増えると、雇用者側の買い手市場になるという当たり前のことを言っているだけです。