院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

昔の戦(いくさ)の謎

2012-06-15 02:19:12 | 歴史
 歴史番組などで「3万人の軍勢を引き連れて、10日間をかけて尾張へ向かった」なぞと言うが、私にはどうしても分からないことがある。

 その分からない部分を、どんな歴史番組も教えてくれない。それは兵隊の衣食住の問題である。

 3万人もの人間が、10日間どこで寝起きをしたのだろうか?戦国時代である。3万人泊められる宿屋があるわけもない。野宿したのだろうか?

 次に食事の問題。誰が食糧を運んだのだろうか?3万人を10日間養える食糧ですぞ。半端な量ではあるまい。

 最後に排泄である。3万人が、どこでどうやって排泄したのだろうか?

 あまり兵隊を粗末に扱うと、目的地に着くまでに疲弊してしまう。だから、食糧部隊などもあったのだろうと思うのだが、そうした重要なことを歴史番組は教えてくれない。

拙著『統合失調症治療の再検討』への感想

2012-06-14 00:09:42 | 読書
 拙著『統合失調症治療の再検討』(日本評論社)についての感想がぼつぼつ集まってきました。

 おおよその傾向としては、医者よりもむしろ文科系の方に評判がよいようです。悪い評判は耳に入ってこないので、以下、耳に入ったよい評判だけを列挙します。

 「精神病理学の本なので難しいものと思っていたが、難しくない」「幕が開いたような晴れやかな読後感がある」「常識が次々と覆されるので、痛快」「あまりに面白いので、読むのをやめられなくなった」「文体が流れるようで読みやすい」「構想が壮大」「読んで考え方が変わった」などです。

 専門家でなくても読めますので、みなさまぜひ読んでみて下さい。

 アマゾン楽天、以外にもすべてのオンライン書店で買えます。大型書店には在庫があります。

解剖学の進歩

2012-06-13 04:31:39 | 学術
 解剖学という地味な学問がある。

 最初は解体新書に代表されるような、目で見てすぐに分かるような「マクロ解剖学」だった。これは、すべて分かってしまうと、それ以上の発展はなかった。

 相前後して、顕微鏡が発明されて、臓器は顕微鏡的にはどのようになっているのかが研究され、ミクロ解剖学が発達した。(今でもがん細胞は顕微鏡で見分ける。)だが、「ミクロ解剖学」もすぐに限界が来た。

 続いて電子顕微鏡が発明された、普通の顕微鏡が発明されたときと同じく、電子顕微鏡的解剖学が、私が学生のころまで研究されていた。

 今、解剖学はどうなっているのだろうか?たぶん、生化学と融合して生体膜の研究や、遺伝子的な研究が行なわれているのだろう。

 ほとんどの自然科学的な学問がそうだが、進歩はいつもテクノロジーに負うている。素粒子の世界もサイクロトロンの建造なしには発展しなかった。

 その点、法学や哲学はさしあたりテクノロジーと関係がないから、進歩は遅々としている。でも、それらの学問はテクノロジーにはよらないけれども、実は時代背景という大きな流れに影響されているのだ。

目の中に入れても痛くない

2012-06-12 03:52:44 | 漫画
 「目の中に入れても痛くないほど可愛がる」という表現は、小学校2年生のころ漫画「鉄腕アトム」で覚えた。

 天才科学者、天馬博士が「目の中に入れても痛くないほど可愛がっていた」一人息子を交通事故で亡くし、その身代わりの少年として鉄腕アトムを作ったという設定だった。

 (鉄腕アトムを作ったのは、お茶の水博士ではない!)

 すでにここでも述べたが、ピラミッドの内部構造や、カニを英語でクラブということも鉄腕アトムから学んだ。「良心」についても学んだ。

 今思い返すだに、鉄腕アトムという漫画は極めて教育的だった。そのころは、漫画は俗悪なものとして大人から嫌われていたなんて、今の若い人には想像もできないだろう。

イノベーションとインセンティブ

2012-06-11 04:51:25 | 日本語
 最近マスコミなどで、主に知識人が「イノベーション」と「インセンティブ」という言葉をよく使う。

 私の教養がないのか、両方とも意味が分からなかった。

 そこで、ハンディタイプの英和辞典を引いてみた。イノベーションは載っていた。しかし、インセンティブは載っていないのだ。これでは研究社の英和大辞典を引かなくてはならない。

 大学受験に使う辞書にも載っていないような外来語は使わないでほしい。

 英和大辞典は面倒でまだ引いていない。だから、私は未だにインセンティブの意味が分からないのである。

エベレストかチョモランマか?

2012-06-10 04:56:31 | 社会
 昔はエベレストと呼んだ。ついでチョモランマになり、またエベレストに戻った。

 エベレストの名称は英測量局長官ジョージ・エベレストに基づく。

 そうしたら中国が、チベット名、および中国名のチョモランマと呼べと言い出した。2002年の人民日報にも、そういう論説がある。

 わが国のマスコミは、いっせいにチョモランマと呼び始めた。たぶん、中国のご機嫌をとりたかったのだろう。

 最近またエベレストに戻った。理由は分からない。小泉純一郎元総理大臣が、在任中に中国をソデにして以来だろうか?

ものの値段はどうやって決まるのか?

2012-06-09 04:07:33 | 経済
 ものの値段とはどのように決まるのだろうか?

 私は「その値段でも欲しい人がいる」ことによって値段が決まるものだと思っていた。しかし、これはオークションでの値段の決め方で、一般的な商品には当てはまらないらしい。

 経済学的な仕組みは知らないが、どうもものの値段は、一番高く値付けをした人と、安く値付けをした人の、中間当たりが本当の値段になるらしい。

 ということは、富士山の頂上でコカ・コーラを買う場合、1,000円でもほしい人と、300円ならまあ買っても良いという人の中間当たりの値段になるのだろう。

 これは、コカ・コーラが沢山ある場合の話だ。

 ここで疑問が生じる。希少価値とは何だろうか?

 たとえば、ビートルズのサインにはとんでもない高値が付く。ビートルズのサインなんて、美術的価値も歴史的価値もない。それなのに、なぜ高い値段が付くのだろうか?

 これがオークションの原理なのだろうか?経済学に詳しい人に教えてもらいたい。

インテリア・コーディネーターというプロ

2012-06-08 04:19:41 | ファッション
 インテリアコーディネーターなる職業とは縁がないと思っていたが、クリニックを建てるときに頼んだ。

 インテリアコーディネーターのインテリアに対する拘りは強く、一驚した。ソファーと机の配置、椅子のメーカー、椅子の手すりの素材、椅子の革張りの材質、飾る絵画の種類、置く植物、時計、果てはゴミ箱まで、注意が行き届いていて、さすがにプロだと思わせた。

 電話を置く台まで注文がついた。照明の配置や照度も計算された。おかげで、ホテルやナイトクラブのように整った室内となった。

 もう、ホームセンターで買ってきたゴミ箱は使えない。そんなことをすれば、全体の調和を壊して、インテリアがおかしなことになってしまう。

 やはりプロはプロである。

AKB48の「総選挙」

2012-06-07 05:04:10 | 芸能
 AKB48の「総選挙」が昨日あった。一位は大島優子さんだそうだが、私はこの娘を知らない。

 この娘のみならず、すべてのメンバーを知らない。みな、似すぎている。そもそも、オーディションで似たような娘を集めたのではなかったか?

 「総選挙」とは、似たような娘に甲乙をつけよというのだから、かなり難しい選択である。

 それでもファンには、違いが分かるらしい。羊飼いが羊の個体識別ができるのと同じようなことだろう。

 今、売り出し中の武井咲さんは、AKB48には入れてもらえないだろう。個性が強すぎるからである。

「・・し」というしゃべり方

2012-06-06 06:17:12 | 日本語
 「相手は強いですし、何勝もしていますし、頑張って戦わないといけないと思いますし、・・」というように「・・し」でずらずらと文章を繋いでいくしゃべり方をする人がいる。

 これは圧倒的にスポーツ選手に多い。なぜ、スポーツ選手がこのような話し方をするにかは分からない。

 聞き苦しいから、今度機会があったら、スポーツ選手のインタビューを注意して聞いてみてほしい。

「念のため」の医療

2012-06-05 03:53:18 | 医療
 これまで、傷を縫合したあと、「念のため」と患部に抗生物質を注射することが多かった。細菌感染リスクを減らすためだ。

 ところが最近、それは本当かと思う医者がいて、患部に注射をする群としない群とで比較した人がいた。答えは感染リスクは「両者で差がない」というものだった。

 つまり、これまで無駄に患部に抗生物質を注射してきたことになる。

 医療で言う「念のため」というのは極めて怪しい。だが、この「念のため」が医療でははびこっている。

 「念のため」MRIを撮りましょう。「念のため」血液検査をしておきましょう。

 答えは大部分が「白」だ。

 手術前は、術野の皮膚を剃毛(ていもう)する。細菌が入らないようにするためだ。ところが数年前、剃毛は皮膚を傷つけて、かえって細菌感染を助長するという研究が出てきた。

 医療で言う「念のため」には注意しなくてはならない。

 (筆者は外科が専門ではないので、誤りがあるかもしれない。誤りがあればコメントで訂正してほしい。)

子どもには実物を見せよ

2012-06-04 05:54:26 | 教育
 たとえばマグロがどういう魚かを子どもに理解させるには、実物を見せなくてはならない。

 図鑑や映像ではダメである。それでは大きさが分からない。水族館で本物を見せれば、どのように動くかまで分かって、子どもは本当にマグロを理解する。だから、子どもはマグロの刺身を食べるときにも、その刺身がどんな魚の肉かイメージすることができる。(マグロの解体ショーも子どもには勉強になるだろう。)

 私が小学校のときにリットルという単位が出てきた。父親は10センチ立法の容器をボール紙で作って、これが1リットルという量であると教えてくれた。私は一発で分かった。

 その容器の下から1センチまでの量が1デシリットルということも分かった。1センチ立法のさいころのような立方体が、1デシリットルには100個敷き詰められる。1リットルなら1000個だ。このようなことが実感として分かった。

 これらの実感は、その後、濃度やモルといった概念が出てきても、それらをイメージするのに役立った。

 子どもには見せて触らせて教えるべきである。教育上手な父親だった。

サルトルが理解できない

2012-06-03 04:42:18 | 読書
 哲学者のJ・P・サルトルは名前だけは多くの方がご存じだろう。ノーベル文学賞をもらった哲学者である。

 サルトルの哲学は1970年代に大流行した。学生たちはこぞって読んだ。当時学生だった私も読んだ。

 でも、さっぱり理解できないのである。

 故山本夏彦翁は、あんなに分からないものは10年もたない、と喝破した。そして、そのとおりになった。

 当時の学生たちにも分かっていなかっただろう。にもかかわらず、「即自」とか「対自」とかいうサルトル用語を使って議論していた。

 私は理解できないから、議論の輪に入れなかった。

 実は学生たちは、分からぬまま議論していたのだ。なんて無茶なことを学生たちはしていたのだろう。いや、学生のみならず、教官も議論に入っていた。教官も分からなかったくせに・・と今になって思う。

 あのときのサルトルブームは、いったいなんだったのだろう。むろん、みな翻訳で読んでいたが、そもそも翻訳者自身が理解できていたかどうか怪しい。

坂本九さんの歌が好きでない

2012-06-02 05:22:15 | 芸能
 坂本九さんが好きでないのではなくて、彼の歌が好きでない。

 たとえば「上を向いて歩こう」。永六介さんの歌詞が、あまりに甘っちょろくて嫌いだ。中村八大さんの曲も、胸にしみない。なのに何故、何十年も歌いつがれているのか不思議である。

 この歌は「スキヤキソング」として、全米チャート一位になった。私が中学生のころだ。友人の兄がアメリカからビルボード誌を取り寄せていて、そこには SUKIYAKA (スキヤカ)とあったが、これは余談。

 「幸せなら手をたたこう」も意味が解らない。何故「幸せなら足ならそ」なのだろうか。無理スジである。

 つまり、私は永六介さんの考え方が好みでないのかもしれない。

 永六介さんのベストセラー、岩波新書「大往生」は、岩波新書としては限界の「柔らかさ」であって、岩波新書をあれ以上柔らかくはできないと、岩波書店の社長が言っていた。

和装が似合わない美人女優たち

2012-06-01 05:05:34 | 芸能
 NHKの大河ドラマ「宮本武蔵」に出ていた米倉涼子さんは、ドラマの中では目立たなかった。ところが、別の場面で洋装で出てきたときに、私は彼女のあまりのスタイルのよさと美しさに眼を見張った。

 同じく大河ドラマの「竜馬伝」に出ていた真木よう子さんもパッとしなかった。ところが、洋装の彼女はすばらしく美しい女優だった。

 今、売り出し中の武井咲さんは、若いころの吉永小百合さんに似た美人だが、大河ドラマ「平清盛」では、田舎娘のように垢抜けない。

 このごろの女優は和装が似合わないようだ。

 日本人女優がみな、白人の美女に似ていて、白人の美女に和装が似合わないのと同じようなことになっているのだろうか?