他の依頼主からの同型機のアンテナを修理(付け替え)してスペアナで確認すると、232.8MHz(水晶表示の4倍らしい)に電波が確認されるが、その他の周波数には出ていない。ところが、電源スイッチを入れ直すと、今度は231.1MHzに電波が確認される。どうやら電源スイッチによるオルタネイト動作の様だ。発振回路の電圧もON/OFFを繰り返している。地元の「県西クレーンサービス」にも念のため確認したら、その様な動作だという。混信等が有る場合に切り替えるらしい。(最新機種では、自動サーチの機能がついているらしい)
オールバンドハンディレシーバーでもモニターしてみたが、ちゃんと変調されている様だ。
次に、電波の出ない送信機を見てみる。
3.3V出力3端子レギュレータは2個交換済み。
最初、電源LEDが点かない。アクセルレバーが少しでも引かれていてもONにならないシステムで、接続コネクタの接触だけでも影響する。ちゃんと差し込んだら電源LEDは点滅→点灯の正常動作になった。
だが電波は観測されない。
水晶はHC-49Uより2回りも小さいUM-1タイプか。63.128MHzと62.828MHz(NDK製)の表示。
シリコン接着剤で周辺部品とともに固められているが、シリコン自体柔軟性が有るので、落下等の衝撃で水晶本体にGが掛かりせん断力が働いたのかも知れない。
リード線が1個は両方共、もう1個は片方根元から断線していた。
水晶と基板の間には薄いシリコンらしい材質のシートが入っていた。
見ると残りのリード線の長さは0(ゼロ)か0.5mm以下なので接続は困難。
外して、発振回路は正常なのか、周波数は大幅に違うが、手持ちの40MHz帯水晶をパターンに差し込んで見る。
周波数が違うので、出力レベルは小さいのですがスペアナで受信が確認出来ましたので、発振回路は
問題無さそうで、単純に水晶リードの断線が原因だけかと判断。
サトー電気に、近い62.250MHzが有ったので注文。今日届いたら、これでも確認したいと思います。
電波が出ない原因は、どうやら水晶振動子のリード断線だけみたいだ。
水晶を入手する必要があるのだが、以前問合せしたことのある「三田電波」に確認してみた。
聞いて見ると、不良の現物を送っていただければ調査して見積り等を出してくれるとのことだった。
納期は2~3週間とのことなので、しばらく中断とする。
水晶振動子を正しくおつかいいただくために
【9/8】
62.250MHz水晶が届いたので2個共仮付けして、もう1台の動作品と電界強度をオールバンド/モード受信機で比較して見た。
動作品と比べるとSが1~2低いが周波数同調ズレによるものだろう、変調も確認出来たので、正規水晶待ちだ。
【9/10】
水晶メーカーで現物を送れば確認するということで、9/9発送。9/10PM早速電話が有り、発振するので壊れてはいないとのことで、この仕様で製造してもらう様、正式注文しました。
【変調方式は】
変調方法なのだが、左の波形は水晶の発振出力を見ている。
CH1が水晶のコールド側?でCH2がホット側になる。
デジタルオシロなので、データ0の時に波形がシフトしているかは判らない。
受信機で聞いて見ると、FSKで有ればFMモードで音声信号として出る筈だが、出ない。AMモードにするとカリカリ音が勢い良く聞える。