大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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分権時代の大田区の公有財産の有効活用の課題/決算特別委員会より

2009年10月21日 | ├行政システム・公共調達

 地方分権が進むということは、権限が、首長や議会の議員に移譲されていくということです。
 移譲された権限を首長や議会が濫用することなど決してありませんし、あってはなりません。

 しかし、このことをきちんと区民に対して明らかにするためには、単に、「適正です」とか「大丈夫です」というだけでは不十分です。 

 地方主権時代の区長がいう「区民が主役」の大田区政を実現するためには、「コンプライアンス(法令遵守)」「行政手続法」といった視点が欠かせません。

 決算特別委員会において、資産活用を例に、「コンプライアンス(法令遵守)」や「行政手続法に基づいた区政運営」に係る課題について取り上ました。

 しかし、決算特別委員会を通じて感じたことは、大田区が法や条例・規則のもと議会の承認を得ながら区政執行しているという認識の低下です。

 私が質問した
「公有財産活用における『コンプライアンス(法令遵守)』や『行政手続法』に基づき透明性と説明責任をもって区政執行すべきと考えるが大田区は十分か」

に対して、区は、
「公有財産活用は行政手続き法の対象外である」
と答弁しました。
 これは、対象外であれば、法令を順守し、透明性・説明責任をもって執行しなくてよいということにつながり、これが行き過ぎれば、区政は私物化されかねません。

 まず、この認識を変え、当然のことながら、大田区が法や条例・規則のもと議会の承認を得ながら区政執行しているという基本認識に立ち返るとともに、「コンプライアンス(法令遵守)」や「行政手続法」に基づき透明性と説明責任をもって区政執行することここそが、区民が主役の区政です。

 現在の大田区の資産活用において、以下の点が課題であると考えます。

1.民間の専門性を行政運営に活用する任期付き採用職員を「資産活用」分野においても配置していますが、必ずしもその専門性が十分区政に反映させているとは言い難い状況です。職員の能力を十二分に発揮できる人材活用。

2.土地売買や賃貸、あるいは、施設整備において、必ずしも区の計画に基づき執行されていない事業が見受けられます。これは、計画の立て方、売買や賃貸、施設整備などの意思決定時における検討の不十分さなどに課題があります。区民に区政の方向性を示すことのできる計画策定とそれに基づき十分な検討のうえに売買や賃貸、施設整備などが行われること。

3.価格においても、財産価格審議会にかける・かけないの線引きがあいまいであり、条例や規則、区長決定などを順守すべきです。仮に例外措置をとる場合には、その理由を添えて議会に説明するなどあきらかにすること。

4.一方で、大田区は、価格に係る重要な契約条件さえ議会に示されず、数多くの土地取引が行われてきました。大田区土地開発公社が購入するのであれば許されるということはありえません。価格に係る重要な契約条件は、議会に明らかにするなど公表すべき。

5.大田区土地開発公社は、その役割を終えたといってよく、解散する自治体もでてきています。
 現在の土地開発公社の責任者は、大田区の管理職やOBで占められており、議員が評議員になってはいるものの、都度の土地購入に評議員が関与することはなく、結果として議会の議決というチェックをすり抜ける不透明でコスト意識に欠けた購入を促しています。公社が不適当な資産購入の隠れ蓑なる恐れもあり、解散すべき。

 ここで、あらためて、決算の認定における議会の役割について確認させていただきたいと思います。

 首長と議会議員とが異なる二つの選挙をもって選ばれる二元代表制において、地方議会の持つ重要な役割のひとつが区政執行におけるチェック機能です。

「決算認定」とは、「地方議会運営事典」によれば、 「歳入歳出予算の実績、結果について、改めて議会に批判、監視の機会を与え、当該地方公共団体の財政運営の適正を期すこととしている」。とあります。
 「決算認定」にあたり、議会のもつこの批判、監視の視点でチェックしました。これらが、今後の区政運営に反映されることを要望します。


なかのひと


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