トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ハチジョウキブシ

2024-09-23 | 樹木 草花


一括りに言えばキブシなのだが、キブシは地域によって葉や実に変異が有り、その地域の名前などが付いている
ナンバンキブシ(大隅半島)、ハチジョウキブシ(八丈島)、エノシマキブシ(江の島)、ナガバキブシ(小笠原)、コバノキブシ(箱根)等々
キブシは日本固有種

キブシ科の雑木林や林縁、山地の道端などに生える落葉低木
キブシ科はキブシ属1属からなり、ヒマラヤから日本にかけて6種が自生している
普通2~4mになる
葉は互生し、葉身は6~12cmの長楕円形~卵形

花は雌雄別株で3~4月、葉の展開前に咲く
長さ3~10cmの総状花序が垂れ下がって付く
花は6~9mmの鐘形、花弁は4個、外側の2個は小さく内側の2個は大きくて花弁状
雄花序は長く、雄花は淡黄色
雌花序は短く、雌花は淡黄緑色

果実は硬く乾いた液果
7~12mmの楕円状球形、7~10月に黄褐色に熟す

ヒガンバナ

2024-09-22 | 樹木 草花


今日はお彼岸の中日、ヒガンバナが1輪咲いていた
秋の彼岸の頃に咲くのでヒガンバナという
その他マンジュシャゲ、ハミズハナミズ、シビトバナなど、地方名が500以上あると言われている

ヒガンバナ科の田の畔や土手などに群生する多年草
葉は花の終わった晩秋に伸び始め、冬を越して翌年の春に枯れる
長さ30~60cmの線形、深緑色で光沢があり中脈沿いは白っぽい

花は9月に咲く
40cm程の花茎を伸ばし、鮮紅色の花を散形状に5~7個つける
花被片は4cm程の狭披針形で6個有り、強く反り返る
雄しべ6個と雌しべは花の外に長く突き出る
3倍体でほとんど結実はせず、種子が出来ても発芽しないと言われる
だが、18912株の花を観察したら、479個の種子が出来、蒔いたところ22個の芽が出た、と聞いたことがある

鱗茎で増える
鱗茎はアルカロイドを含み有毒
昔飢饉のときに水に晒して食用にした・・というがそのような記録はないという説もある
アルカロイドのリコリン利用の薬品で、咳、痰、吐剤に効果ある
肩こりには鱗茎をすりつぶして、足の土踏まずに貼って寝ると良いという

ミズアオイ

2024-09-21 | 樹木 草花


ミズアオイ科の植物で、この科はミズアオイ属2種・(ミズアオイとコナギ)、が自生し、ホテイアオイ属1種・(ホテイアオイ)が帰化している
水湿地に生え、葉の形がカンアオイの仲間に似ていることからの名前
絶滅危惧種

水田や沼、湿地に生える30cm程の1年草
根生葉は10~20cmの長い柄が有り、葉身は長さ幅共に5~10cmの
心形で厚く光沢がある
茎葉の柄は短い

花期は9~10月
花序は葉より高く伸びて、青紫色の花を総状に多数つける
花は3cm程
花被片は6個有り、内花被片の方がやや幅広い
雄しべは6個有り、1個は長くて花糸にカギ状の突起が有り、葯は青紫色
他の5個は短く、葯は黄色い

果実は蒴果で、1cm程の卵状楕円形で、先端に角状の花柱が残る

ザクロソウ

2024-09-20 | 樹木 草花


ザクロソウは、葉がザクロの葉に似ているので付けられた名前
ツルナ科の道端や畑に多い20cm程の1年草

葉は3~5個ずつ偽輪生し、長さ1~3cmの披針形~線状披針形
花は7~10月に咲く
直径3mm程で、まばらな集散状に付く
花には花弁は無く、萼片が5個有り花弁のように見える

果実は蒴果で球形

コケオトギリ

2024-09-19 | 樹木 草花


コケオトギリは、野原や休耕田などの湿ったところに生える小型の多年草
オトギリソウ科の仲間で、この科は茎、葉、花などに腺体があるのが特徴
腺体は普通赤い色素を含んで黒く見えるので、黒点、黒線と呼ぶ
色素を含まない場合は明点又は明線という

茎は4稜形で高さ3~10cmになり、上部で分枝する
葉は1cm程の広卵形で、日に透かすと半透明の明点が散らばっているのが見える
秋には紅葉する

花は7~9月に咲く
直径5~8mmで、雄しべは5~10個と少なく、束にはならない
果実は蒴果で3mm程

マユミ

2024-08-30 | 樹木 草花


マユミの実がうっすらと色付き始めた
枝が良くしなうので、弓を作ったかとからマユミ(真弓)という

ニシキギ科の落葉小高木、高さ5m程になる
葉は対生し、葉身は5~15cmの長楕円形
縁には細かい鋸歯がある
花は5~6月に咲く
本年枝の葉より下の芽鱗痕の脇から集散花序を出し、緑白色の花を数個つける
花は1cm程、花弁は4個、雄しべは4個有る

果実は蒴果
1cm程の側三角形で4個の稜が有り、10月に淡紅色に熟す
熟すと4裂し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子を出す

材は象牙色で硬く緻密で、小木工品に適しており、こけしづくりに使われている
新芽は山菜として利用する

マルバチシャノキ

2024-08-29 | 樹木 草花


名前は、葉が丸く若葉は食べられ、味がチシャ(レタス)に似ていることからの命名
豊作で実が沢山ついていた

ムラサキ科チシャノキ属の落葉小高木、高さ8m程になる
葉は互生し、葉身は6~17cmの広楕円形
先端は急に尖り、基部は浅いハート形
ガサッとした感じで厚みがあり丸くて大きい

花は3~7月に咲く
枝先に12cmh度の散房花序をだし、白い小さな花を多数つける
花冠は5mm、5裂し裂片は反り返る

果実は核果
2cm程の球形で、先端に小さな突起が有る
中には核が2個入っている
核は1cmの半球形、外面は丸くて溝があり毛が密生する
内面は切型で中央部は浅く窪み、八の字型の模様がある
果肉はねっとりして薄甘く生で食べられる
7~11月に黄色く熟す

ガガブタ

2024-08-28 | 樹木 草花


ガガブタの白い可愛い花があった
ガガブタは光沢のある丸い葉を鏡(ガガ)と蓋に見立てた名前
絶滅危惧種

リンドウ科の、池や沼に生える多年生の水草
茎は細長く、水底の泥中にひげ根を下ろす
水底から葉柄を伸ばし、円心形の葉を水に浮かべる

花は7~9月に咲く
葉の脇から花柄をだし、1.5cmの白い花を咲かせる
花冠は5深裂し、中心部は黄色く、裂片には長い白毛が多い
果実は蒴果で、長さ4mmの楕円形
種子は膨らんだ広楕円形で、光沢があり滑らか

アカメガシワ

2024-08-27 | 樹木 草花


アカメガシワのまだ若い果実があった
新芽が赤く、カシワの葉と同じように葉を食物を乗せるのに使ったのでアカメガシワの名が付いた

トウダイグサ科の落葉高木、高さ15m程になる
葉は互生し、葉身は7~20cmの卵形
縁は全縁又は波打ち、時に浅く3裂する
葉身の基部には腺体が2個有る
葉柄は長さ5~20cmで、紅色を帯びる

花は雌雄別株で、6~7月枝先に7~20cmの円錐花序を出す
花には花弁は無い
雄花は苞の脇に数個づつ付き、雄しべは多数あり花糸は長さ3mm
雌花は苞の脇に1個づつ付き、萼は2~3裂する
花柱は3~4個で、乳頭状突起が密生する
乳頭状突起は初め紅色で、成熟すると黄色になる

果実は蒴果
8mm程の扁球形で、刺状突起が密生し、9月頃から褐色に熟す
熟すと3~4裂し、4mmの黒い種子を3~4個出す


トチュウ

2024-08-26 | 樹木 草花


トチュウ(杜仲)の実が生っていた
果実は翼果で長さ3cm程の楕円形、中央に種子が1個入っている

樹皮や枝、葉を折ると白色乳液が出る
ガタパーチャと呼び、天然ゴムとして利用した

樹皮は漢方薬の原料として使われる
腰痛、足腰の倦怠感、頻尿、肝機能、高血圧などに使われている
かなり前に若葉をお茶にした、杜仲茶が人気だった、血圧降下、肝機能向上に良いという

トチュウ科の落葉高木、高さ10~20mになる
トチュウ科は1属1種で、ニレ科に近縁と言われている
葉は互生し、葉身は10cm程の卵形~長楕円形、先は鋭く尖る
葉を引っ張って裂くと、ゴム状の糸を引く
花は雌雄別株で、4月頃葉の展開とほぼ同時に咲く
雄花も雌花も花被は無くとても地味な花



カジノキ

2024-08-25 | 樹木 草花


カジノキ(梶の木)の赤い実がぶら下がっていた
3cm程の集合果で、食べるととても美味しい

クワ科の落葉高木、10m程になる
樹皮の繊維を和紙の原料に栽培され、山野に野生化している
葉は切れ込みの無いものから、3~5裂するものまである

花は雌雄別株で、5~6月に咲く
雄花序は長さ3~9cm、直径1cm程の円筒形
雌花序は1cm程の球形で、糸状の花柱がボンボンのようになって目立つ


ノカンゾウ

2024-08-04 | 樹木 草花


ドンと言う感じでノカンゾウがあった

ユリ科ワスレグサ属の多年草
ワスレグサ属の名は、蕾を調理して食べると心配事を忘れるほど美味しい
又、美しい花見ていると憂さを忘れるから付けられたなどの説がある
カンゾウは、中国名「萱草」を音読みしたもの

花は7~8月に咲く
花茎は高さ70~90cmで、7cm程の花を付ける
花の色は橙赤色から赤褐色まで変化が多く、特に赤味の強いものをベニカンゾウと呼ぶこともある
花被片は一重で6個有り、下部は筒状に合着している
昼間だけ咲く一日花

若葉や蕾、花などは食べられる
若芽、若葉は3~5月頃根際より切り取り、さっと茹でておひたし、和え物、煮物、炒め物
花は甘酢、三杯酢、の他 花酒にしても良い
花酒は花を焼酎に漬けこんだもので、滋養強壮、疲労回復に効果がある


ミナヅキ

2024-08-03 | 樹木 草花


旧暦の6月(水無月)に咲くので、ミナヅキと言う
青空に目いっぱい咲いていた

ノリウツギ(ユキノシタ科)の園芸品
花がすべて装飾花になっているもの
ガクアジサイとアジサイと同じ関係と言って良いかも

花期は7/中~8/中 ノリウツギより少し遅れて咲く
花は2cm程で、色は白~淡いクリーム色
葉は互生し楕円形

サガリバナ

2024-08-02 | 樹木 草花


サガリバナが地面に沢山散っていて花盛りだった
奄美諸島以南の熱帯に広く分布している

サガリバナ科の常緑小高木
葉は枝先に集まって互生し、10~30cmの倒卵状長楕円形
革質で縁には粗い鋸歯がある

花期は6~8月
20~60cmの総状花序が垂れ下がり、白色又は淡紅色の花が付く
花は5cm程で、花弁は4個、萼片は2~4個付く
花は花序の基部から咲いてゆき、4cm程の雄しべが目立つ
夜に咲き、花弁4個は開化と同時に落ちてしまう
朝方までにはほとんど落ちているので、垂れ下がっている花は残念ながらほとんど見られない


ムクゲ

2024-08-01 | 樹木 草花


あちこち庭木でも見かけるムクゲの花が真っ盛り
大ぶりの花でとても見栄えがする
朝鮮半島には自生品はないが、韓国の国花になっている

アオイ科の落葉低木、高さ3~4mになる
葉は互生し、葉身は4~10cmの卵形~菱形状卵形で、3本の脈が目立つ
縁には不揃いな粗い鋸歯があり、浅く3裂するものもある

花期は8~9月
本年枝の葉腋に5~10cmの鐘形の花を付ける
花弁の色は紅紫色、白色、桃色など多彩で、八重のものもある
中心部が紅色になっているものが多い
花弁が白く中心が赤い園芸種で、「日の丸」というのもある

果実は蒴果
2cm程の卵形で黄褐色の星状毛が密生する
10月頃熟すと5裂し種子を出す
種子は5mmの腎臓形で、長い褐色の綿毛がある

蕾を乾かしたものを木槿花と呼び、胃、腸カタル、下痢止に用いる
花は朝開き夕方にしぼむことから「槿一朝の夢」といって、人の栄華のはかなさに例えられる
初秋の季語でもある
木槿垣呼ぶとき手拍ちし母のこと (保坂春苺)