トリからキノコ 自然見て歩き

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ノウゼンカズラ

2023-08-31 | 樹木 草花

夏に咲く樹の花ではベストテンに入る美しい花と言われるノウゼンカズラ

古名の「のせう」が変化して「のうぜん」になったとも言われ

又、漢名の凌霄の音読みの「りょうしょう」から名がついたとも言われる

凌は「しのぐ」、霄は「そら」の意味で、ツルが木にまといつき、天空を凌ぐほど高く登る所からの名前

 

ノウゼンカズラ科の落葉ツル性木本、付着根を出して塀や壁を這い上る

中国原産、平安時代に日本に渡来した

葉は対生、20cm程の奇数羽状複葉で、葉柄と葉軸には稜がある

小葉は2~4対、長さ3~7cmの卵形、縁には粗い鋸歯がある

 

花は7~8月に咲く

枝先に垂れ下がった円錐花序に、橙赤色の大きな花を付ける

花冠は6cm程の広い漏斗型で、上部は5裂して平開する

雄しべは4個有り、うち2個は長い

日本では結実しにくい

 

花、葉、根を乾燥したものを利尿などの薬用にしている

 


ヨウシュヤマゴボウ

2023-08-30 | 樹木 草花

空き地や道端にごく普通に見られる多年草

北アメリカ原産で、明治初期に渡来し今ではあちこちで良く見られる

名前は西洋産のヤマゴボウの意味

 

根はゴボウに似ているが有毒

茎は太くて赤味を帯び、高さ1~2mになる

葉は10~30cmの長楕円形で先は尖る

花は6~9月に咲く

花序には長い柄があり斜上するが、果期には垂れ下がる

花は花弁状の萼片が普通5個あり、白色でわずかに紅色を帯び、5mmほどの大きさ

心皮は合着し、子房が緑のかぼちゃの形をしていて面白い

 

果実は8mmほどの扁球型で、黒紫色に熟す

つぶすと紅紫色の汁が出るので、アメリカではインクベリーと呼ぶ

昔々、色水を作って遊んだ


ザクロソウ

2023-08-29 | 樹木 草花

名前は、葉がザクロの葉に似ているので付いた

 

ツルナ科の道端や畑に多い一年草

高さは20cm程になる

葉は3~5個ずつ偽輪生し、長さ1~3cmの披針形~線状披針形

 

花は7~10月に咲く

3mm程の小さい花で、まばらな集散状に付く

花弁は無く、黄緑色の萼片が5個有る

蒴果は球形で3裂し、中の種子は褐色で光沢がある


カジノキの実

2023-08-28 | 樹木 草花

カジノキの実が生った

果実は集合果で、3cm程の球形、7~8月に赤く熟し甘く食べられる

雌雄別株で、雌花の花被と子房の柄が肥大して液質になりそう果を包む

これが多数集まって集合果を作っている

 

クワ科の落葉高木 高さ10m程になる

葉は互生で、葉身は10~20cmで左右不揃いの卵形

切込みの無いものから、3~5裂するものまでいろいろある

 

花は雌雄別株で、5~6月に咲く

雄花序は長さ3~9cm程の円筒形、雄しべは始めには内側に巻いている

雌花序は1cm程の球形で、花被は袋状、花柱は1個で長く伸び出し良く目立つ

遠目に、糸状の花柱がボンボンのように見え良く目立つ

 

コウゾやヒメコウゾなどの木は、古名で「かぞ」と言いカゾノキが訛ってカジノキになった

樹皮の繊維を和紙の原料に使う


ベッコウタケ

2023-08-27 | キノコ

あちこちでよく見かけるベッコウタケ 左は幼菌

夏に広葉樹、特にサクラの生木や枯れ木に発生する

街路樹に良く見れらが、心材を腐らせ木を枯らす

多年生のキノコ

 

側着型で大型、幼時は塊型又は半球型から、水平に張り出して厚い半円形となる

色は淡黄色から次第に赤褐色になるが、縁は常に黄色

肉は黄褐色でコルク質

 

孔口は円形で極めて小さく管孔は短い

色は淡黄色から灰褐色になる

 


アイバシロハツ

2023-08-26 | キノコ

落ち葉に埋もれて、アイバシロハツが居た

 

初夏から秋にかけて、マツ、ヒマラヤスギなどの針葉樹や、コナラやシラカシなどの広葉樹の樹下に発生する

8cm程の小型から中型のキノコ

傘は始めは中央が窪む丸山型から、開いて平ら更に、漏斗型になる

縁は永く内巻で、色は白から次第に黄色いしみが現れる

ヒダは幅狭く密で、柄に離生する、色は白から淡い藍色を帯びる

柄は中心生で上下同径で中実、肉は白で硬く縦に裂けない

 

肉に弾力が無く、食感は良くないが、ピクルスにすると気にならず、辛みもなくなる


ツルタケ

2023-08-25 | キノコ

すらりと伸びた長い柄をツルに見立てたのだろうか、ツルタケが出ていた

この時期よく出会うキノコだ

夏から秋にかけてマツ、シラカシ、コナラなどの樹下に発生する

中型で傘は5cm程

 

傘は幼時釣鐘型から開いて平となり条線がある、色は灰褐色

ヒダは蜜で柄に離生し、色は白い

柄は中心生で下方に太まり中空で、色は白く表面は平滑又はささくれ状

基部に白い膜状のツボがある

 

食べられるが、生食をすると中毒を起こす


ツマミタケ

2023-08-24 | キノコ

赤いツマミタケがノッコリ顔を出していた

初夏から秋にかけて公園に撒かれたチップや、草地、朽ちた切り株の周囲などの地上に発生する

 

幼時は白く卵型

やがて殻皮が裂開して托(下側の部分)と托枝(上の黒っぽく見える部分)が伸長する

托枝は角柱形の托の頭部で、托の稜と同数の裂片が頂部で結合して角錐型となる

色は暗赤色で表面に皴がある

托は角柱型で、托枝に連続し、稜が畝状に隆起する

色は淡赤色で下方は更に淡色になり、表面には横皴と凹凸がある

 

腹菌類のキノコでは胞子や胞子を作る組織を「クレバ」と言うが、ツマミタケでは暗緑色の粘液となり托枝表面に付着する

粘液化したクレバが悪臭を放っている


アカスジカメムシ

2023-08-23 | 虫類

黒と赤の縦筋が入っていて、体型も独特な綺麗なカメムシ

大きさは1cm程

 

カメムシは緑や褐色の地味色のものが多いが、これらは強烈なにおいを出すものが多い

このカメムシのように、赤と黒の目立つ色をした種類は匂い物質を出さないものが多い

だが、油断は禁物で、アカスジキンカメムシと言う緑色に赤い筋の入った綺麗なカメムシを掴んだら、結構臭かった

 

成虫で越冬して、5月から10月にかけて見られる

草原に居て、セリ、ヤブジラミ、シシウド、などセリ科の花の蜜や種子の汁を好み、ニンジンの害虫としてもしられる

 


ジンメンカメムシ

2023-08-22 | 虫類

植物園の昆虫コーナーで面白いものが展示されていた

和名はジンメンカメムシ

翅の模様が中年のおっさんの顔つきにそっくりなユニークなカメムシ

頭の形がちょんまげみたいなので「さむらい」とも呼ばれる

刺激すると日本のカメムシと同じように、敵を脅かす臭い匂いを出す

 

東南アジアの森に居るカメムシ

展示されていたのはマレーシア産


モンスズメバチ

2023-08-21 | 虫類

モンスズメバチが樹液を吸っていた

スズメバチが活発化する時期、刺激しないようにそっと離れた

 

成虫で越冬して、4月から10月にかけて現れる

似たような模様のスズメバチもいるが、腹の黒色の帯が独特の波模様になっていて先端は黄色い

大きさは2cmほどあった

 

好物のセミを狩るハチで、他にもバッタ、トンボ、クモ類などいろいろな昆虫を狩り、樹液や熟した果実や花の蜜も吸う

毒性も強く、稀に死亡事故もあり、刺されたら医者に行った方が良いと言われている

木の洞の中や屋根裏、石の下などに巣を作り、引っ越すこともある


ウンモンクチバ

2023-08-20 | 虫類

やや大きめの蛾が葉の中でお休み中だった

ヤガ科の中の一群でシタバガの仲間(シタバガ亜科)のウンモンクチバと言う蛾だ

ヤガ科は鱗翅類で最も種類数の多い科で、日本には1000種以上が居るという

大きさは4cm程だった

 

蛹で越冬して、成虫は4月から9月に見られる

翅に赤色実はなく、Ⅴ字の黒色帯は不明瞭で三角紋はない

幼虫は、フジやハギなどを食べて育つ

一般に足の一部が退化していて、尺取虫に似た歩き方をする

 


アオアシシギ

2023-08-19 | 野鳥

シギ類は種類が多く識別がまず問題になるので、青脚と脚の色をそのまま名前にしたらしい

 

旅鳥として全国に普通に見られる

秋の渡りでは、8月から10月頃まで見られる

干潟、水田、湖沼などに小群れで居ることが多い

水中を歩き回って、小魚、昆虫類、甲殻類、オタマジャクシなどをとる

鳴き声は口笛のような声で、「ピョピョピョ」「チョーチヨーチヨー」と主に飛びながら3音で鳴く

 

雌雄同色

夏羽では、頭部から胸は灰褐色で、黒褐色の縦斑が密にある

上面は淡灰褐色で、黒褐色の軸斑と白い羽縁があり、肩羽には黒い羽が混じっている

細長くやや上に反った嘴

脚は長く緑青色

全長32cm


コチドリ

2023-08-18 | 野鳥

春頃に多いのだが、今年は今頃になってやっと会えた

目がくりっとして、小さくて可愛い千鳥だ

小型のチドリ類、江戸時代頃までは、メダイチドリ、シロチドリなどを含めてコチドリと呼んでいたらしい

 

夏鳥

九州以北では夏鳥で、東京湾辺りではそろそろ見られなくなる

少数は西日本以南の暖地で越冬する

河原や砂浜、埋め立て地、干潟などに住んでいる

ユスリカ類などの小型昆虫類を良く食べる

急速に走っては止まったり、左右に忙しそうに動き回って採食する

 

雌雄はほぼ同色

額が白く前頭は黒い、頭頂は暗灰色で、前頭の黒色の間に白線がある

太い過眼線はオスは黒く、メスは褐色味がある

雌雄とも黄色のアイリングがあり、太短い黒い嘴、上面は淡褐色

全長16cm・・日本で見られるチドリ類では最も小さい


ミサゴ

2023-08-17 | 野鳥

水辺から出ている杭にミサゴが止まっていた

足元に魚らしいものがあるので、これからお食事かも知れない

水中に足から突っ込み魚を捕えることから「水さぐる」が語源となった

日本版レッドリスト準絶滅危惧種

 

留鳥

寒冷地のものは冬には暖地へ移動する

海岸、河口、湖沼などに居る

魚食性の鷹の仲間で、今はタカ目ミサゴ科に分類されている

停空飛翔から水中に急降下して魚を捕える

 

雌雄ほぼ同色

頭部は白っぽく、過眼線から後頸、背、翼上面は黒褐色

体下面は白く、胸上部に褐色の帯がある個体が多い

全長、オス54cm メス64cm・・トビとほぼ同大だが、翼は細長く尾は短い