ジョージ・ハリスン

　２００１年１１月２９日、ジョージ・ハリスン(５８）が死去した。３番目のビート
ルズと言われたこともあり、しかし、ビートルズ時代にも Here comes the sun ,
Something , While my guitar gently weeps　など、ギターワーク同様の繊細
で、音の韻を踏むような（リズムを気持ちょっとスライドして情緒的なギター
プレイ）独特のリズム感の名曲を送り出し、ビートルズの自然解散後のソロア
ーティスト（ミュージシャン）としては、ビートルズでもっとも印象的な活動をした
といわれるミュージシャンだった。

　ビートルズ時代にはインド、インド哲学・思想にもっとも関心が高く、他のビー
トルズの家族全員で１か月近くもインドに滞在して、その空気と風の中に見事
にフュージョンしたもっともふさわしい表情のジョージがいた。インド弦楽器の
シタールも取り入れた。

　ソロアーティスト（ミュージシャン）となって、飢餓のバングラディシュ支援
コンサートを開催し、My sweet lord , Set on you　の心癒される、美しいメロ
ディの名曲を送り、また、音楽仲間にも恵まれて、親友のエリック・クラプトン
(G)とは、日本公演でもバンド編成として一緒に来日している。

　ビートルズ時代、ソロアーティストを通して、イギリス紳士然としたハンサム
な雰囲気、少年のようなセンシティヴな香りをいつも顔にたたえたまま、５８歳
で病でこの世を去った。

　２００２年２月２４日、ジョージ・ハリスンの音楽活動の功績を讃え、偲ぶ、
メモリアル・イベントが有楽町の読売会館のよみうりホールで開催された。ジョ
ージ・ハリスンの誕生日。

　１部では、ジョージ・ハリスンの広大な自宅庭先（所有の牧場だったかな）で
収録したプロモーション・ビデオ・フィルム、バングラディシュコンサート、ライヴ
フィルムが放映され、ポール・マッカートニーからのジョージの死去を悼むビデ
オレターも流された。

　２部では、髪を短く切ったジョージ・ハリスンの写真パネルが掲げられたステ
ージで、財津和夫さん、白井貴子さん他のミュージシャンによる、ジョージ・ハリ
スン名曲集の追悼コンサートが行われた。

　入場者には My sweet lord のLyrics cardが配られて、最後に全員で歌って、
ジョージ・ハリスンの功績を讃え、偲んだ。

　チケットに印刷された、短髪でちょっとはにかんだジョージ・ハリスンの笑顔
が印象的だった。

（なお、My sweet lord のいわゆる盗作問題は、突き詰めれば営業権益上の
利益の問題であり、ジョージ・ハリスンが世に送った自作曲としてのマインドに、
なんら差し挟むものは、ないはずだ。）