(1)記録的な大雪の中で投開票が行われた都知事選は舛添要一さんが2(宇都宮さん)、3位(細川さん)に大差をつけて当選した。
ここ3代は青島幸男、石原慎太郎、猪瀬直樹さんと物書きの話題性、知名度が優先しての脱政治色の強い都知事が都政を担ってきた。
青島さんは選挙戦では街頭演説など具体的な選挙戦術を取らずに選挙公報、ポスターの主張だけで静観し、それでも都民の支持を受けて当選した。
石原さんは、鮮烈な作家デビューで太陽族の言葉も生みだして若い時代層を代表した知名度、弟の裕次郎さんの絶大人気も手伝って圧倒的な支持基盤をつくってきた。
この石原さんの後継指名を受けたのが副知事として石原都政を支えた猪瀬さんだ。
(2)青島さんの前までは、官僚、学者出身の堅実な実務型都知事が都政を担い、自民党の長期政権下のへい害の中で政治への厭世(えんせい)感(pessimism)が充満していた社会に、古い既存の政治(既得権益、密室、派閥、利益誘導)とは無縁の世界からの都知事転身に都民は新鮮味とともにあたらしい新時代の政治観を期待、支持して、ひとつの潮流となってきた。
しかし、石原さんが国政参画のために任期途中で辞任して、その後継の猪瀬さんが金銭疑惑でこれも任期途中で辞職する事態が続き、さすがに都民にもそろそろ堅実で行政実績、実務能力のある都知事を望む気風が出ていたように感じる。
(3)その中での今回の都知事選は、元厚労大臣で社会保障政策推進の経験もある舛添さんが少子高年令化の進んだ東京都のかじ取りとして当初から優勢(報道)に選挙戦を進めていた。
国民の小市民的志向(理念よりは身近な生活安定直視)を反映した安倍政権の支持率の高さを背景とした自公の推薦支援、組織力もあって、2、3位合わせた得票数以上(ただし、合わせた場合は僅差)を獲得しての大勝だった。
(4)仮の話だが、宇都宮さん、細川さんの「脱原発」主張候補者が一本化されていればどうなったのかは、数の上からは興味ある結果であったが、双方陣営が脱原発以外に相まみえる可能性は少なく、政治色の違いからも実現性は薄く、そうなればそうなったで政治色の違いからくる内部の数の分散化も生じて、これは単なる結果による数の上での話だ。
(5)脱原発主張を全面に小泉元首相支援のもとに立候補した細川さんは、共産、社民が支援した宇都宮さんにも届かずに3位に終わった。
話題性、知名度(特に小泉元首相の脱原発論にいまでも高い国民人気)の高さでメディアの注目を集めたが、都民の都知事への関心、期待が話題性、知名度からそろそろ堅実、実務型への回帰に戻った背景に、やはり候補者の細川さんより支援の小泉元首相の存在感が強すぎて候補者の自主性、自立性(支援小泉さんの影響力の大きさ)に疑念も持たれての逆効果をもたらした公算は考えられる。
(6)その小泉元首相の政策独自観による郵政民営化が必ずしも成果をあげたとはいえない社会的背景(劇場型政治への疑念)も都民の判断に影響していると考える。
細川候補、小泉支援が共産、社民支援の宇都宮さんに届かずに3位にとどまったことは、細川さん、小泉さんの元首相の政治的影響力、存在感をかなり弱めたことは間違いない。
しかし、小泉さんにとって脱原発論を政治のステージ、テーマに乗せた目的、意図は達成できた。今後の動向が注目される。
ここ3代は青島幸男、石原慎太郎、猪瀬直樹さんと物書きの話題性、知名度が優先しての脱政治色の強い都知事が都政を担ってきた。
青島さんは選挙戦では街頭演説など具体的な選挙戦術を取らずに選挙公報、ポスターの主張だけで静観し、それでも都民の支持を受けて当選した。
石原さんは、鮮烈な作家デビューで太陽族の言葉も生みだして若い時代層を代表した知名度、弟の裕次郎さんの絶大人気も手伝って圧倒的な支持基盤をつくってきた。
この石原さんの後継指名を受けたのが副知事として石原都政を支えた猪瀬さんだ。
(2)青島さんの前までは、官僚、学者出身の堅実な実務型都知事が都政を担い、自民党の長期政権下のへい害の中で政治への厭世(えんせい)感(pessimism)が充満していた社会に、古い既存の政治(既得権益、密室、派閥、利益誘導)とは無縁の世界からの都知事転身に都民は新鮮味とともにあたらしい新時代の政治観を期待、支持して、ひとつの潮流となってきた。
しかし、石原さんが国政参画のために任期途中で辞任して、その後継の猪瀬さんが金銭疑惑でこれも任期途中で辞職する事態が続き、さすがに都民にもそろそろ堅実で行政実績、実務能力のある都知事を望む気風が出ていたように感じる。
(3)その中での今回の都知事選は、元厚労大臣で社会保障政策推進の経験もある舛添さんが少子高年令化の進んだ東京都のかじ取りとして当初から優勢(報道)に選挙戦を進めていた。
国民の小市民的志向(理念よりは身近な生活安定直視)を反映した安倍政権の支持率の高さを背景とした自公の推薦支援、組織力もあって、2、3位合わせた得票数以上(ただし、合わせた場合は僅差)を獲得しての大勝だった。
(4)仮の話だが、宇都宮さん、細川さんの「脱原発」主張候補者が一本化されていればどうなったのかは、数の上からは興味ある結果であったが、双方陣営が脱原発以外に相まみえる可能性は少なく、政治色の違いからも実現性は薄く、そうなればそうなったで政治色の違いからくる内部の数の分散化も生じて、これは単なる結果による数の上での話だ。
(5)脱原発主張を全面に小泉元首相支援のもとに立候補した細川さんは、共産、社民が支援した宇都宮さんにも届かずに3位に終わった。
話題性、知名度(特に小泉元首相の脱原発論にいまでも高い国民人気)の高さでメディアの注目を集めたが、都民の都知事への関心、期待が話題性、知名度からそろそろ堅実、実務型への回帰に戻った背景に、やはり候補者の細川さんより支援の小泉元首相の存在感が強すぎて候補者の自主性、自立性(支援小泉さんの影響力の大きさ)に疑念も持たれての逆効果をもたらした公算は考えられる。
(6)その小泉元首相の政策独自観による郵政民営化が必ずしも成果をあげたとはいえない社会的背景(劇場型政治への疑念)も都民の判断に影響していると考える。
細川候補、小泉支援が共産、社民支援の宇都宮さんに届かずに3位にとどまったことは、細川さん、小泉さんの元首相の政治的影響力、存在感をかなり弱めたことは間違いない。
しかし、小泉さんにとって脱原発論を政治のステージ、テーマに乗せた目的、意図は達成できた。今後の動向が注目される。