いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

集団的自衛権行使の5条件。 collective self defense make use of 5 terms

2014-02-23 15:06:16 | 日記
 (1)現行平和憲法の主旨に反する集団的自衛権の行使を憲法拡大解釈(変更)論で容認しようという安倍首相が、閣議決定を持ち出しても(衆院予算委員会で表明)どんな整合性、正当性があるというのかまったくわからないが、さすがに自民党内からも与党無視の官邸主導偏向論議に反発(報道)が出ている。

 安倍首相の独自理念、意欲だけが先行する集団的自衛権の行使容認問題だが、閣議決定で政府全体の責任論に格上げしてさらにこれに慎重な連立与党公明党の閣僚をも巻き込んでの広範な共同責任の賛成論に持っていく意図なのだろう。
 集団的自衛権の行使については、憲法解釈判断の政府機関の内閣法制局が従来から現行憲法に抵触すると判断しており、これに安倍首相は人事登用で憲法解釈容認派の新長官を起用して憲法拡大解釈の変更で乗り切る意欲を示している。

 (2)さらにこの問題を検討する首相の私的懇談会の安保法制懇の安倍首相に近い座長代理が、集団的自衛権行使の際の5条件(collective self defense make use of 5 terms)を示した。

 朝鮮半島有事を念頭に「日本と密接な関係にある国が攻撃を受けた場合など」に①放置すれば日本の安全に大きな影響が出る場合、②同盟国や友好国など連携相手から明示的な要請があったことなど、これらを首相が総合的に判断して国会の承認を受けること(報道)を想定している。

 (3)日本の防衛は個別的自衛権(separative self defense)によることが国民的合意を得ており、さらに日米安保、軍事同盟関係で連携して日本の主権、国民を守る体制の中で、上記①は目的にかこつけて自衛隊を広く海外に派遣して紛争同盟国と協力して軍事攻撃に参加する戦争行為であり、「放置すれば日本の安全に大きな影響が出る場合」とは近代化した広範な軍事力時代の中ではアジア、太平洋地域(それだけで問題だが)に限らずに時間、距離、関係が短縮した広く世界視野の対象問題であり、これに参加することがパラドックス(paradox)として国際テロを含む広範囲の外国からの攻撃目標となる危険な自暴自棄行為となるものだ。そういう状況を日本自らが進んでつくりだそうという暴挙だ。

 (4)②は同盟国など連携相手の要請を受けて広く世界各地の紛争国、地域に出かけて戦争行為に加担することになるもので、戦前の旧日本軍、軍事政権による侵略国家の道をまた歩むことになるものだ。

 これらを首相が判断するというものだから、独裁性の強い危険な政治体制であり、今のように与党勢力で衆参両院多数を占める国会勢力図では国会承認もお墨付きを与えるだけの形がい化したもの(安倍首相の言う閣議決定共同責任論と同じ論理)だ。

 (5)国際紛争を解決するための戦力を保持せずに、交戦権を認めない現行平和憲法の主旨に反する考えであり、到底認められる論理構成ではない。
 憲法条文にもとづき国会の同意の上で国民の審判、判断を求める重要政策(憲法改正)の変更なのは言うまでもない。

 安倍首相は憲法拡大解釈による国連PKO活動の自衛隊の海外派遣も、当初は国民の過半数が反対したが今では国際平和に貢献しているとして、国民の反対意思をそれほど重要視していない。
 
 (6)しかしこれも小市民的志向の国民の安倍内閣支持率の高さを背景としているものだけに、支持率の高い内での憲法解釈変更での行使容認に強くこだわる理由だ。
 最近の経済データの不安要素(貿易赤字拡大、平均賃金の減少など)に14年4月からの消費税8%引き上げ後の国内経済、景気動向に小市民的志向(つまり、個人生活さえよければいいと)の国民の関心がどう動くのか、集団的自衛権の行使容認問題は時間をかけて国民的議論を重ねる政治課題だ。
 

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