いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

橋下の野心と挑戦。 ambition and challenge of the mayor of osaka

2014-02-02 14:56:36 | 日記
 (1)橋下大阪市長は、意欲を示す(唯一の政治目的と言ってもいいが)大阪都構想が市議会各派で構成する都構想(design of metropolis)の制度設計を検討する法定協議会で橋下案を否決されたことを受けて、大阪市長を辞職して市民に再度信を問うことを明言(報道)している。

 橋下さんは政治目的として掲げる大阪都構想実現のために大阪府知事を任期途中で辞職して、より実現権限の当事者である大阪市長に転出して府知事の後任には自ら代表を務める大阪維新の会幹事長を(選挙で)充てて、大阪市、大阪府の自治体行政を支配、独占してきた。

 (2)当時は民主党政権の自壊(自戒)政治の閉そく感の中で、旧態然とした地方議会、行政機関との対立、政治モラルに切り込んで良くも悪くもはっきりとした主義主張を全面に出して、政治のリーダーシップ力が期待世論にアピールして高い支持、人気を受けて政治の第3極勢力の中心軸でもあった。

 都構想以外には政治、行政、政策にこれといった主要テーマは打ち出せずに、都構想実現に集約して意欲を示す府知事から市長への転出に今回の市長辞任、再出馬のプロセスは、府、市の支配、政治の「私物化(own property)」を強く印象付けるものだ。

 (3)議会対策、行政機関との調整、協力を度外視して対立、対決をことさら強調して政治モラルに切り込んでの市民、府民の支持、人気を取りつける政治手法は、個人的な野望、野心(private ambition)目的にしか映らないポピュリズム(populism)の危険性を含むものだ。

 かっては小泉元首相の政治手法であり、今の安倍首相の政治手法と通じるもので、現に安倍首相と橋下市長の政治理念は近いものがあり、一時(橋下人気による第3極勢力の中心軸時代)は安倍さんの方から協力関係を模索して接近をはかったこともあると報じられた関係だ。

 (4)小泉元首相はねじれ国会に自民党内での権力基盤の弱さを地方党員、国民人気でおぎなって、政権与党自民党をぶっ壊すと宣言して高い国民人気を背景に政治常識を度外視(参院否決を受けて一度承認した衆院解散総選挙)した解散総選挙に大勝して郵政民営化を実現した。

 現在でも率直なもの言いで国民的人気は高く、今回の都知事選でも論議を呼んだ従来にない脱原発を争点に同趣旨の細川候補の応援に回っている。

 (5)橋下さんの構想には、この政治プロセスがあるのではないのか。都構想は、自治体の旧態然とした既得権益打破と行財政改革(府市重複解消、健全財政)、サービスの公平、公正性、質的向上をはかる行政区画、機構改革の方法論であり、東日本大震災で壊滅した東北地方の復興行政機構改革でも導入すべきものであった。

 橋下さんは、府、市の支配独占による都構想の実現手法ではなく、広く都構想の理念、政策制度設計をていねいに説明、提示して周知実現する政治手法が必要だ。

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