(1)TPP交渉が米国の思うようにはなかなか進まない。TPP交渉は米国が停滞する国内経済の活性化(回復)、産業強化のために参加する環太平洋地域と相互に関税を完全撤廃して自由貿易を促進しようという経済促進政策(それにより取り巻く中国に圧力をかけること)だが、それぞれに国内事情を抱えて交渉参加国との協議が思うようには進展していない。
米国としては昨年末までの大筋合意を目指していたが、コメなど農産物重要5項目の関税撤廃に反対する日本ほか製薬特許を巡る知的財産権、原産地規則でアジア新興国、オーストラリアとの隔たりも大きく、今月の閣僚会合でも大筋合意は見送られた。
米国がTPP交渉による貿易完全自由化の趣旨にもとづくすべての関税撤廃に強くこだわり、また国内産業基盤強化に向けて強行姿勢を崩していない(報道)からだ。
さらに11月に実施される政権の行方を左右する米国中間選挙を控えて、安易に妥協できない米国の政治事情がある。
(2)安倍首相が昨年2月に訪米してオバマ大統領との首脳会談で、農産物重要5項目(聖域のない関税撤廃のない交渉)を除く関税撤廃交渉の意向が理解されたと成果を主張したが、オバマ大統領の理解は日本の立場は理解したがすべてはこれから始まるTPP交渉協議の中で検討される(趣旨発言)こととの一般論であることが伝えられていた。
安倍首相とすれば都合のいい部分だけを取り出して強調して、米国オバマ大統領から理解を得たと国民向けに成果を強調しただけのことだった。
TPP交渉参加の趣旨からして、日本の特殊事情だけが受け入れられるはずもなく、そのとおりその後のTPP交渉協議では米国の例外なきすべての関税撤廃の主張が強行にくり返されて、しかし参加国も日本をはじめそれぞれ国内事情を抱えてこれに合意もできずに時間を要している。
(3)米国とすれば日本の立場を理解した上で、農産物重要5項目の関税を即時に撤廃するものではなく今後20年近くかけて撤廃することで日本の顔もたてて理解を示したつもりということなのだろう。
日本側でも自民党では一部譲歩する検討姿勢も見られ始めて、時間をかけての国内産業とりわけ関税撤廃に強く反対する農業関係団体との関係調整が焦点となってくる。
(4)日本の国内産業は経済のグローバル化時代に為替相場に影響されない生産、販売拠点の海外進出を進めており、関税撤廃による影響もかってほどではなくなっている。さらに国内産業は技術開発力、販売力、生産力で高い潜在能力(potentiality)を持って海外企業との競争力もあり、一時的な貿易完全自由化の影響は受けても即応力も高い産業基盤を持っている。
輸出基幹産業の自動車産業も円高で打撃を受けながら、ハイブリッド車(hybrid vehicle)開発、環境適応小型車、新興国市場進出で再び世界のトップ産業に返り咲いている地力はある。
(5)懸念されている農業も政府の過保護政策が自立を阻んでおり、本来、生産力、技術開発力、品質力、安全性で十分高い海外競争力を持っており、TPP交渉参加は日本産業全体のグローバル化の起爆力、動力(dynamism)となるもので、未来に向けた産業革命(the industrial revolution toward the future)とすべき機会ととらえることができる。
米国としては昨年末までの大筋合意を目指していたが、コメなど農産物重要5項目の関税撤廃に反対する日本ほか製薬特許を巡る知的財産権、原産地規則でアジア新興国、オーストラリアとの隔たりも大きく、今月の閣僚会合でも大筋合意は見送られた。
米国がTPP交渉による貿易完全自由化の趣旨にもとづくすべての関税撤廃に強くこだわり、また国内産業基盤強化に向けて強行姿勢を崩していない(報道)からだ。
さらに11月に実施される政権の行方を左右する米国中間選挙を控えて、安易に妥協できない米国の政治事情がある。
(2)安倍首相が昨年2月に訪米してオバマ大統領との首脳会談で、農産物重要5項目(聖域のない関税撤廃のない交渉)を除く関税撤廃交渉の意向が理解されたと成果を主張したが、オバマ大統領の理解は日本の立場は理解したがすべてはこれから始まるTPP交渉協議の中で検討される(趣旨発言)こととの一般論であることが伝えられていた。
安倍首相とすれば都合のいい部分だけを取り出して強調して、米国オバマ大統領から理解を得たと国民向けに成果を強調しただけのことだった。
TPP交渉参加の趣旨からして、日本の特殊事情だけが受け入れられるはずもなく、そのとおりその後のTPP交渉協議では米国の例外なきすべての関税撤廃の主張が強行にくり返されて、しかし参加国も日本をはじめそれぞれ国内事情を抱えてこれに合意もできずに時間を要している。
(3)米国とすれば日本の立場を理解した上で、農産物重要5項目の関税を即時に撤廃するものではなく今後20年近くかけて撤廃することで日本の顔もたてて理解を示したつもりということなのだろう。
日本側でも自民党では一部譲歩する検討姿勢も見られ始めて、時間をかけての国内産業とりわけ関税撤廃に強く反対する農業関係団体との関係調整が焦点となってくる。
(4)日本の国内産業は経済のグローバル化時代に為替相場に影響されない生産、販売拠点の海外進出を進めており、関税撤廃による影響もかってほどではなくなっている。さらに国内産業は技術開発力、販売力、生産力で高い潜在能力(potentiality)を持って海外企業との競争力もあり、一時的な貿易完全自由化の影響は受けても即応力も高い産業基盤を持っている。
輸出基幹産業の自動車産業も円高で打撃を受けながら、ハイブリッド車(hybrid vehicle)開発、環境適応小型車、新興国市場進出で再び世界のトップ産業に返り咲いている地力はある。
(5)懸念されている農業も政府の過保護政策が自立を阻んでおり、本来、生産力、技術開発力、品質力、安全性で十分高い海外競争力を持っており、TPP交渉参加は日本産業全体のグローバル化の起爆力、動力(dynamism)となるもので、未来に向けた産業革命(the industrial revolution toward the future)とすべき機会ととらえることができる。