(1)タイと大阪市、政治状況が似たところがある。①タイは政治を二分するタクシン派と反タクシン派が政局ごとに双方の国民支持層を巻き込んでの対立抗争を続けてきた。
タクシン派の現在のインラック首相が国外に亡命していた兄のタクシン元首相を恩赦にして(議会で否決された)自国に戻そうとして、反タクシン派の反発を買ってインラック首相の退陣を求めて反タクシン派のバンコク封鎖デモが続いて行政機能がマヒして、インラック首相が非常事態を宣言して総選挙に打って出て国民の信を問う手段に出た。
②地方、農民層など貧困層に強い支持基盤を持つインラック首相率いるタクシン派の選挙優位の中で、反タクシン派は総選挙に候補者を立てずに選挙ボイコット(boycott)で対抗して、実施された総選挙は20%近く(9県)でボイコットのため投票中止となり(報道)事実上成立しないものとなって、混迷(bewilderment)をさらに深めている。
(2)大阪市は、橋下市長の大阪都構想が法定協議会での議会野党の反対にあって制度設計がとん挫して、これに橋下市長が辞職、出直し市長選で市民に信を問う手段に出た。
これに対して議会野党は今のところ候補者擁立を見送り、橋下さんひとりの無投票選挙をお膳立てして出直し市長選前と何ら変わらない政治状況に戻す戦術に出た。
一方、橋下さんは市長選に反対野党が候補者を立てないのは争点の大阪都構想を容認したと同じだとけん制している(その後、共産党が候補者擁立を検討)。結局のところ、タイ同様そっくりの選挙不利とみた議会野党の選挙ボイコット戦術だ。
②橋下さんの意欲を示す大阪都構想実現のために、府民、市民の支持、人気を背景に現職(府知事、市長)任期を途中辞職して2度も選挙で信を問う政治手法があまりに独善的(complacent)との批判を受けている。議会、行政機関、政治モラルとの対立をことさら強調して市民の支持を受けてきた政治手法だ。
橋下市長が唯一意欲を示す政治目的(大阪都構想)に向けて実現に最大限努力、追求するのは、そのために市長になったものとして当然のことであり、小泉元首相の郵政民営化のように政治の常道をはずれた政治手法であったとはいえ国民の高い支持を受けた例もある。
③劇場型政治といわれて、その後の政治検証ではムードに流される政治選択の危うさも指摘されている。
タイの場合は、首相退陣を求める国民反勢力クーデター闘争の様相をきたしているので、総選挙ボイコットも対抗手段としては現実性のあるものだが、大阪市の場合、一度は市民の支持を受けた市長が議会から政治目的の反対を受けて、市長は再び信を問うために出直し市長選を実施する政策実現のための手段であることがはっきりしており、これに反対した議会野党は対抗対立候補者を擁立して反対意見を堂々と主張して市民の理解を得ることもまた当然のとるべき政治行動でなければならない。
④橋下市長の選挙至上主義があまりに独善的であるならば、今となっては市民が判断を下すだろう。
タクシン派の現在のインラック首相が国外に亡命していた兄のタクシン元首相を恩赦にして(議会で否決された)自国に戻そうとして、反タクシン派の反発を買ってインラック首相の退陣を求めて反タクシン派のバンコク封鎖デモが続いて行政機能がマヒして、インラック首相が非常事態を宣言して総選挙に打って出て国民の信を問う手段に出た。
②地方、農民層など貧困層に強い支持基盤を持つインラック首相率いるタクシン派の選挙優位の中で、反タクシン派は総選挙に候補者を立てずに選挙ボイコット(boycott)で対抗して、実施された総選挙は20%近く(9県)でボイコットのため投票中止となり(報道)事実上成立しないものとなって、混迷(bewilderment)をさらに深めている。
(2)大阪市は、橋下市長の大阪都構想が法定協議会での議会野党の反対にあって制度設計がとん挫して、これに橋下市長が辞職、出直し市長選で市民に信を問う手段に出た。
これに対して議会野党は今のところ候補者擁立を見送り、橋下さんひとりの無投票選挙をお膳立てして出直し市長選前と何ら変わらない政治状況に戻す戦術に出た。
一方、橋下さんは市長選に反対野党が候補者を立てないのは争点の大阪都構想を容認したと同じだとけん制している(その後、共産党が候補者擁立を検討)。結局のところ、タイ同様そっくりの選挙不利とみた議会野党の選挙ボイコット戦術だ。
②橋下さんの意欲を示す大阪都構想実現のために、府民、市民の支持、人気を背景に現職(府知事、市長)任期を途中辞職して2度も選挙で信を問う政治手法があまりに独善的(complacent)との批判を受けている。議会、行政機関、政治モラルとの対立をことさら強調して市民の支持を受けてきた政治手法だ。
橋下市長が唯一意欲を示す政治目的(大阪都構想)に向けて実現に最大限努力、追求するのは、そのために市長になったものとして当然のことであり、小泉元首相の郵政民営化のように政治の常道をはずれた政治手法であったとはいえ国民の高い支持を受けた例もある。
③劇場型政治といわれて、その後の政治検証ではムードに流される政治選択の危うさも指摘されている。
タイの場合は、首相退陣を求める国民反勢力クーデター闘争の様相をきたしているので、総選挙ボイコットも対抗手段としては現実性のあるものだが、大阪市の場合、一度は市民の支持を受けた市長が議会から政治目的の反対を受けて、市長は再び信を問うために出直し市長選を実施する政策実現のための手段であることがはっきりしており、これに反対した議会野党は対抗対立候補者を擁立して反対意見を堂々と主張して市民の理解を得ることもまた当然のとるべき政治行動でなければならない。
④橋下市長の選挙至上主義があまりに独善的であるならば、今となっては市民が判断を下すだろう。