愉快なことは別のところにある。 pleasant scene has in another way

　(1)国民年金情報１２５万件が外部からのPC不正アクセスで流出した。報道によると管理運用する日本年金機構の職員PCにウィルスを添付したメールを送り付けて、それにアクセスした複数の職員PCから感染した大量の国民年金情報が外部に流出した。

　日本年金機構は「消えた年金」問題で管理処理能力不備、不足が指摘されて解体された社会保険庁の後を継いで、公的年金の管理運用を行う公法人組織だ。
　「消えた年金」問題では国会で取り上げられて、当時の安倍第一次内閣の安倍首相が最後のひとりまで回復すると大見栄を切ったが結局は年金資格者への確認作業（はがき確認）は続けたが、最終どうなったのかはうやむやのままだ。

　(2)日本年金機構の前身の社会保険庁組織のいいかげんな国民年金の管理処理能力を痛いほど味わされていながら、後を引き継いだ日本年金機構は組織理念の反省も見直し自覚もなく、今回のウィルス添付メール対策でも個人情報を記録したファイルにはパスワードを設定する内規がありながら、今回流出した１２５万件中、約５５万件にはパスワードが設定されておらずに（報道）内規による情報安全対策、不正防止対策も漫然とした職員の自覚もない中で放置されてきたことがわかっている。

　(3)あれほど日本全国、国民から糾弾された年金管理処理能力の誤り、間違いが教訓（precepts）となって安全性、信頼性向上につながっていないむなしいばかりの日本年金機構の内実だった。

　社会保険庁から日本年金機構への機構改革によるも、どうしようもない無責任、無自覚、無理解が続く負の流れには手の打ちようもない。
　国への投資者（税負担）の国民の財産、資金、資本を預かり管理運用する善良な管理者としての自覚、責任などない不適格組織（disqulified organization）といわざるを得ないものだ。マイナンバー制導入にも不安は大きい。

　(4)公的機関への不正アクセスは止まることのない今日的世界で、それでなくても社会保険庁の後を継ぐ脇の甘い日本年金機構が狙われやすいのは覚悟の上のはずだ。本日の新聞紙面には同理事長ほか幹部がこぞっておわびの記者会見で深く頭（こうべ）を垂れる場面が載っていたが、もはや頭を下げて済む問題ではないだろう。

　大きな管理処理無能力の溝を超えて引き継いだ日本年金機構の再生、再出発のはずだった。猛省だけですむのか、漫然とした体質は心もとないばかりだ。

　(5)しかし、ハッカーの愉快犯的不正アクセスもどうにかならないものか残念だ。国民年金情報１２５万件不正アクセスして、これから利益をくみ取ることはできない。
　鼻を明かしたつもりでも、さすがに政府も国民も安全対策を考えている。

　人間は性善説、性悪説とどちらともいわれているが、社会から認められる愉快なことは別のところにある（pleasant scene has in another way）のだ。